昨年暮れ、 娘に薦められて「ハッピーバスデー」を読んだ妻。
感動して、もう一度 読みたいという。 ならばと、私も読んだ…。
児童書として1997年に刊行され、「お母さんも読んで…」と、子ども達が
「ぜひ大人に読んでほしい本」として読み広がり、ベストセラーになった。
内容は、「不登校・差別・イジメ・虐待・命」、そして「生」という、重い題材
がテーマ。
クラス全員で本を読み合っているうち、"いじめ"が自然消滅したという。
また、この本を読んだ大人たち、今まで見えなかったものが見えてきて、
「ハッ」としたという。
【心と体の健康情報 - 231】
~幸せな人生を歩むために~
「ユー キャン ドゥ イット/交流分析」
人間関係には、良い人間関係もあれば、悪い人間関係もある。
良い職場、良い家庭というのは、必ずといっていいほど、良い人間関係に包まれ、
明るくヤル気にあふれ、職場にあっては業績もよく、社員の満足度も高い
といえます。
しかし、そういった中にも、人間関係でしょっちゅうトラブルを起こしたり、
ヤル気を削いで、雰囲気を悪くさせる人がいるものです。
以前勤めていた会社で一年間、管理者養成研修を受けたことがある。
営業部門の中間管理職七人が対象。指導には、東京の人材育成コンサルタント
会社が当たった。
研修の内容は「管理者としての自覚」。自己を鍛えるだけでなく、部下のほめ方・
叱り方、心理学、経営哲学など、幅広い分野に及んだ。
研修でインパクトがあり、興味を引いたのは「交流分析」
。
エリツク・バーン博士の心理学です。
「自分が持っている本来の能力に気づき、その能力の発揮を妨げている
様々な要因を取り除いて、自らが持つ可能性に向けて生きていこう… 」
というもの。
しょっぱなから、その研修は始まった。期待と不安の中、テーブルを挟んで
向い同士座り、そのうちの一人が、皆の前に座らされた。
「はい、皆さん、これから一年間、七人がより親密に、心を開いて、本音で学
び合えるようになるための、最初の研修を行います…。
それでは、皆さんの前に座っているAさんの、優れた所を5つつ、欠点を5つ
つ、模造紙に書いて下さい。その後Aさんから、自分の利点と欠点を発表し
ていただきます。続いてAさんに向かって、一人づつ発表していきます…。
七人全員、交代でやっていきます」
会社では仲のよい同僚…。一方で、互いにライバル意欲を燃やし、業績と出世
を競い合う仲…。普段、仕事上で本人を前にして、誉めたり非難したりするこ
とはない。
誉め言葉5つは直ぐに書けた。しかし、欠点を書き出せと言われて、困ってし
まう。二つくらいならまだいい。しかし5つとなると…こんなこと、書いていい
ものだろうか…、発表できるだろうか…。手が止まる。
発表の時になって、講師は大声で怒鳴った。「何をかばい合っている…。
思っていることは、隠さず本音で語れ!心を開示 しろ!気遣いは無用…」
日頃親しい人から、面と向かって欠点を指摘されたことなど、一度もない。
六人が交代で、私の良いところ、悪いところを指摘した。そのたびに心が動揺
し、顔を赤らめ、うつむいて聞いた。研修とはいえ、人の欠点を捜し出して
(これを"あら捜し"というのだろう…)発表するのは、何とも気まずく、後味の
悪いものだ。
ところで、私たちは自分のことを、どれだけ知っているだろうか?
自らの長所・短所に気づき、自分の持っている「能力と価値」に気付けば、
対人関係は、必ず良くなっていくだろう。
「自分にしかない、素晴らしい能力や価値があるのに、それを発揮出来ないで
いるのは、それを妨げるものがあるからである。その要因に気付いて、取り除
いていこう」というのが、この研修の目的である。
こうして、心の内面を心理学から分析し、学習し、体験することによって、
素直な気持で、外に向かって自己表現出来るようになる。前向き・肯定的に
物事に対処出来るようになっていく…。「ユーキャンドゥイット」の精神が生き
てくるのです。