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2006年02月 アーカイブ

2006年02月03日

風化させてはならない、特攻で散った命

グアム、サイパン、パラオ、ボルネオなどに、ダイビングや観光で何度か訪れている。戦争の残骸を目にしたが、 住民は親日的で平和そのもの…。悲惨な戦争の面影など、どこにもない。だが、六十数年前は…

■太平洋戦争での主な玉砕 (1/27読売新聞「検証・戦争責任」)

「アリューシャン列島・アッツ島」S18年5月
・日本軍2千6百人が、米軍1万1千人と戦闘の末、30人足らずの捕虜を除き全員戦死。
「ニューギニア」S19年5~7月
・日本軍1万3千人が、米軍3万人と戦闘の末、1万2千人が戦死。
「サイパン」S19年6~7月
・日本軍4万4千人が、米軍と戦闘、4万2千人が戦死。
・民間人8千人がマッピ岬から投身自決。
「グアム・テニアン」S19年7~8月
・日本軍2万8千人が、米軍6万人と戦闘の末、2万2千人が戦死。
「パラオ」S19年9~11月
・日本軍1万1千2百人が、米軍6万人と戦闘の末、1万人以上戦死。
「硫黄島」S20年2~3月
・日本軍2万2千人が、米軍6万人と戦闘の末、2万1千人が戦死。

【吉村外喜雄のなんだかんだ  - 111】
~歴史から学ぶ~
「風化させてはならない 特攻で散った命」

イラクとその周辺の諸国で、毎日のように繰り返される"自爆事件"。そのたびに市民が巻き込まれ、 痛ましい犠牲者が増え続ける。
60数年前の日本。昭和20年の終戦までの一年間、世界の戦史に例を見ない、体当たり特攻作戦が繰り返され、 延べ9500人もの若者が、ただ死が待つ戦場に散っていった。

昭和19年9月、海軍省の方針に従って、「海軍特攻部」を発足させた大西中将は、第一航空艦隊の参謀に、「こりゃあ、 統率の外道だよ…」と語ったという。
そもそも作戦とは、わずかでも生還の可能性がある「九死に一生」が限度。片道の燃料しか持たせず、100% 死が予定されている「十死零生」の特攻は、"作戦の名に値しない!"と言ったのです。

昭和20年5月、当時陸軍士官学校の生徒だった、新潟県長岡市出身の"渡辺悦男"さん。突然 「将校面会室に来るように…」と、教官からの指示。
部屋に入ると、軍服の袖に金色の鷲(わし)をあしらった「特攻章」を縫い付けた、兄"裕輔"(少尉・23歳)が立っていた。

「何で特攻に行くんだ。この戦争は負ける。士官学校の先輩は、ろくな武器も持たず、戦地で死んでいった。国民には、 竹やりで戦えとまで言っている…。特攻に行く必要など全くない!」

弟が言い終えると、兄はうなずきながら、ゆっくりと口を開いた。
『もう勝つとか負けるとかではないんだ…。今ここで若い自分たちが国を守る意思を示さなければ、 戦争終結への道は遠のくばかりだ。そうなれば日本は、戦争をし続けることになり、国民の犠牲は計り知れないものになる…』

兄の決意の固さを知り、二人は抱き合って別れた。一ヶ月後、新潟に住む両親の元に、兄が書いた「出撃五時間前 平心」 の絶筆と、遺髪が届けられた。

生身の人間が爆弾と化して敵艦に体当たり攻撃する。マリファナ沖海戦以降、日本の戦力が著しく低下する中、 少ない戦力で効率よく戦果を挙げる、手っ取り早い手段として考案された。

もう一つは、日本の兵士が、国のために命を惜しまない姿を見せることで、徹底抗戦の意思が強いことを示し、 米軍の継戦意欲をそそごうとする狙いがあった。
繰り返される沖縄への慰霊に、「あれほど無謀で、でたらめな作戦はない。戦争指導者の責任は極めて重い」との思いを、 弟さんは抱いた…。

フィリピン・硫黄島・沖縄と、戦場が本土に近づくにつれ、"特攻"は激烈を極めた。米軍が沖縄に上陸した4月には、 海上特攻として、戦艦大和が出撃した。
しかし、大和はいかなる目的も達することなく、戦果らしいものもないまま、3,721名の若者の命と共に、 沖縄の海に沈んだ。

1/27読売新聞「検証・戦争責任」から抜粋

終戦当時私は4歳。戦時中の暮らしぶりや、身の回りで起きた様々な出来事を、今も鮮明に覚えている。
私たちの後に生まれた世代は、戦争を全く知らない。国を憂えて死んでいった人達のことを思い、 自らの命を無駄にすることなく、大切に生きていかなければならない。
そのためにも、「男たちの大和」は、今後機会があれば、是非見ておきたい映画です。


2006年02月07日

ユーキャンドゥイット/交流分析

昨年暮れ、 娘に薦められて「ハッピーバスデー」を読んだ妻。
感動して、もう一度 読みたいという。 ならばと、私も読んだ…。
児童書として1997年に刊行され、「お母さんも読んで…」と、子ども達が
「ぜひ大人に読んでほしい本」として読み広がり、ベストセラーになった。

内容は、「不登校・差別・イジメ・虐待・命」、そして「生」という、重い題材
がテーマ。
クラス全員で本を読み合っているうち、"いじめ"が自然消滅したという。
また、この本を読んだ大人たち、今まで見えなかったものが見えてきて、
「ハッ」としたという。

【心と体の健康情報 - 231】
~幸せな人生を歩むために~
「ユー キャン ドゥ イット/交流分析」

人間関係には、良い人間関係もあれば、悪い人間関係もある。
良い職場、良い家庭というのは、必ずといっていいほど、良い人間関係に包まれ、
明るくヤル気にあふれ、職場にあっては業績もよく、社員の満足度も高い
といえます。
しかし、そういった中にも、人間関係でしょっちゅうトラブルを起こしたり、
ヤル気を削いで、雰囲気を悪くさせる人がいるものです。

以前勤めていた会社で一年間、管理者養成研修を受けたことがある。
営業部門の中間管理職七人が対象。指導には、東京の人材育成コンサルタント
会社が当たった。
研修の内容は「管理者としての自覚」。自己を鍛えるだけでなく、部下のほめ方・
叱り方、心理学、経営哲学など、幅広い分野に及んだ。

研修でインパクトがあり、興味を引いたのは「交流分析」
エリツク・バーン博士の心理学です。
「自分が持っている本来の能力に気づき、その能力の発揮を妨げている
様々な要因を取り除いて、自らが持つ可能性に向けて生きていこう… 」

というもの。
しょっぱなから、その研修は始まった。期待と不安の中、テーブルを挟んで
向い同士座り、そのうちの一人が、皆の前に座らされた。

 「はい、皆さん、これから一年間、七人がより親密に、心を開いて、本音で学
 び合えるようになるための、最初の研修を行います…。
 それでは、皆さんの前に座っているAさんの、優れた所を5つつ、欠点を5つ
 つ、模造紙に書いて下さい。その後Aさんから、自分の利点と欠点を発表し
 ていただきます。続いてAさんに向かって、一人づつ発表していきます…。
 七人全員、交代でやっていきます」

会社では仲のよい同僚…。一方で、互いにライバル意欲を燃やし、業績と出世
を競い合う仲…。普段、仕事上で本人を前にして、誉めたり非難したりするこ
とはない。
誉め言葉5つは直ぐに書けた。しかし、欠点を書き出せと言われて、困ってし
まう。二つくらいならまだいい。しかし5つとなると…こんなこと、書いていい
ものだろうか…、発表できるだろうか…。手が止まる。

発表の時になって、講師は大声で怒鳴った。「何をかばい合っている…。
思っていることは、隠さず本音で語れ!心を開示 しろ!気遣いは無用…」

日頃親しい人から、面と向かって欠点を指摘されたことなど、一度もない。
六人が交代で、私の良いところ、悪いところを指摘した。そのたびに心が動揺
し、顔を赤らめ、うつむいて聞いた。研修とはいえ、人の欠点を捜し出して
(これを"あら捜し"というのだろう…)発表するのは、何とも気まずく、後味の
悪いものだ。

ところで、私たちは自分のことを、どれだけ知っているだろうか?  
自らの長所・短所に気づき、自分の持っている「能力と価値」に気付けば、
対人関係は、必ず良くなっていくだろう。
「自分にしかない、素晴らしい能力や価値があるのに、それを発揮出来ないで
いるのは、それを妨げるものがあるからである。その要因に気付いて、取り除
いていこう」というのが、この研修の目的である。

こうして、心の内面を心理学から分析し、学習し、体験することによって、
素直な気持で、外に向かって自己表現出来るようになる。前向き・肯定的に
物事に対処出来るようになっていく…。「ユーキャンドゥイット」の精神が生き
てくるのです。

2006年02月10日

企業理念と信用

1月30日、お昼を食べながらTVを見ていたら、欠陥木造住宅に住む夫婦の話
が…。あまりにもひどい施工。問題の箇所が次々と大写しになる…。

以前、住宅会社に勤めていた時に、体験したことです。
屋根も葺き、内部造作も進み、内装工事に入った矢先、施主からクレームが出た。
「即刻、やり直せ!」と言う。現場は「問題にするほど、工事に欠陥がある訳ではな
い」と、甘く見た。
45坪の邸宅。二階までしっかり組み上がっていて、「はいそれでは…」というわけ
にはいかない。現場サイドで事を穏便に治めようとして、こじらせてしまった。
責任者の私の耳に入った時は、大事になっていて、「全部壊して最初から建て直
せ!」と、施主は大の剣幕。どうにもならなくなり、本社の専務に相談した…。

帰ってきた返事は「施主の言う通り全部壊してやり直しなさい。損得より信用だ!」
施工費は値切られ、遅延損害金も払わされた。その一件で、その年の営業所の
利益は飛んでしまった。今も忘れられない、富山での出来事です。

【吉村外喜雄のなんだかんだ  - 111】
~幸せな人生を歩むために~
「企業理念と信用」

1月末、松下電器から葉書が届いた。表に「松下電器より心からのお願いです」
とある。20~14年も前の、不良FF暖房機の回収に懸命になっている。
昨年から、TVコマーシャルやホームページに告知しているが、それだけでは
不十分と、全国すべての所帯に宛て、DMを発送した。

回収に要した費用は、昨年だけで230億円だという。人命を守り、失いかけた
信用を取り戻すためとはいえ、これほど膨大なリスクを決意した、松下電器の
経営姿勢には、頭が下がる。

それと相反することをしたのが、大手ビジネスホテルチェーンの"東横イン"。
私の京都の常宿である。価格が安く、サービスも悪くない。朝食無料が魅力で
、よく利用する。
許せないのは、検査終了後、改装する段取りに、あらかじめなっていたこと…。
計画的に、検査機関の目を"ごまかす"行為が、会社ぐるみで行われていた。
姉歯やヒューザーと同罪じゃないですか!

このニュースは当初、ライブドア事件の陰に隠れて、あまり目立たなかった。
釈明のための社長の記者会見がまずかった。俄然、マスコミが騒ぎだした。
この企業、身障者にはまったく無理解。「お客様のために…」と言いながら、
収益性を最優先する社風。
「使われないスペースは無くせ…」と、社長の指示。経営者の資質・社会的道義
が問われる。モラルの低さにはあきれる。どんな経営理念の会社なんだろう?

この事件が起きる前の東横インのイメージは良かった。支配人など、管理職の
ほとんどは女性。女性を積極登用して、急成長したホテルとして知られている。

女性支配人の募集は経験不問。最初から素人を採用した。
素人には、「ホテルとはこう…」といった固定観念がない。自由な発想が、朝食
無料サービスや、アダルトビデオ放映廃止となって表れた。優しく、人当たりが
よく、きれい好きな女性の特性が生かされ、男性では気付かない細部にも目が
ゆき届く。日本旅館の"女将"が、登用のヒントになっている。

2000年6月、雪印食中毒事件に端を発し、その後何度となく繰り返される
企業モラル喪失事件。消費者の信用を失墜し、会社存亡の危機に陥り、
経営陣が平身低頭するのを、何度見てきたこだろう…。
ところが、自分の会社のこととなると、モノごとの本質が全く見えていない。

私たちの世代は、政冶・経済・教育、全ての分野でリーダー的位置付けを担って
いる。戦後教育を受けた最初の世代です。その世代が日本を動かしているのです。
豊かさを求め、ひたすら会社の為と働いてきた。物欲・金銭欲が強く、利己的
で自分本位。社会性・道徳性に欠け、公徳心が薄い…そんなことが気になる。

問題が自分に及びそうになると、自己保身に走り、責任を取ろうとしない…。
いさぎよさがない…。男の器、総体的に戦前教育を受けた親の世代に比べ、
小さくなったような気がする…。

2006年02月14日

社会に役立つ”志”を持て

企業犯罪が世間を騒がせ、混迷を深める今日こそ、不易の倫理観、時代に即した新たな規範や改革が、強く求められる。

  自由には 責任が伴わなければならない
  地位には 義務がある
  繁栄には 共存と共栄が伴い
  安全には それ相応の対価がいる
  貧富には 自愛の心がなければならない
                         稲盛和夫

【心と体の健康情報 - 232】
~子育て心理学~
「社会に役立つ"志"を持て」

以下、1/28読売新聞 太平洋セメント相談役 諸井虔(もろいけん)氏
「ライブドア事件を語る」からの抜粋です。硬い文章ですが、教育のあり方に
言及しています。

近頃の、手っ取り早く金儲けをしようとする新興企業の姿勢に、実に危険な
ものを感じる。企業倫理などどこえやら、「金儲けなんて簡単なものだ」と、
平気でうそぶく。
そもそも会社とは、社会のためにある。社会のニーズがどこにあるかをくみ取
り、自社の技術や特徴などを生かしながら、社会のニーズを満たしていくべき
ものだ。
ビジョンをうち立て、事業プランを組み立て、様々に知恵を絞り、人材を集め、
教育していかなければならない。ライバル企業との競争もある。それに打ち勝
っていく中で、時間をかけて、営々とに築き上げていくのが会社だ。

ライブドアは、証券市場を活性化し、企業の資本調達を容易にする為に、新た
につくられた法律を巧みに組み合わせ、悪用することで、短期間に事業規模を
拡大していった。
本来「性善説」でつくられた、こうした新法。その抜け穴を巧みに突き、ずる賢し
こく悪用し、自社を利するために、幹部は知恵を絞った。
時間のかかることは飛ばして、短期間で株式の時価総額を増やすことに、会社
の総力をあげた。そんなやり方は、日本の経済全体を危うくしてしまう。

常に、自分の会社が「社会の役に立っているか、社会に害を与えていないか」
自省することだ。自分たちの行為に明確な「志」と「理念」がなければならない。

ライブドアを生み出した原因は、やはり戦後の教育にあると思う。
今の若い人たちは、努力を重ねることをせず、「どうすればうまく金を儲けら
れるか」の一点に目を向けがち…。
教育の出発点は「家庭教育」だが、今の家庭は、自分の子どもさえよければ
いいという母親や、家庭教育に参加しようとしない父親が目立つ。今更ながら、
家庭教育のあり方が問われるのです。

学校教育の場でも、なるべく負担がかからないように、保護者から文句を言わ
れないように、責任が問われないようと、腐心する教師が多い。
子どもは、大人の姿を見ながら、自らを鍛えていく。今の親や教師の姿を見て、
子ども達がいい大人に育つと思うだろうか? 思うとしたら、それは奇跡だ!

働きもせず、株取引に夢中になっている大人。これとて「自分さえよければ」と
いう、教育によるところが大きい。社会の、沢山の人たちに支えられている
自分に、気づいていない。
「額に汗して働き、世の中のお役に立つ人間になるんだよ」
「何かを他人にして貰ったら、必ずお返しするんだよ」

という、きちんとした家庭教育に支えられて育った人は、やはりきちんと働いて
いる。
昔は、寺子屋で子ども達はみな"論語"を読んだ。四書五経には、 社会生活を
営むに必要な真理が多く含まれている。昔の子どもは、それらを一所懸命理解
しようとした。
若者は、何か夢を持って勉強し、努力するものだ。それで立派になっていく。
ところが、今の若い人はかわいそうだ。閉そくした今の世の中では、若い人が、
自分の生きる道を見つけられないでいる。

堀江氏をもてはやすのは、夢を持てなくなった若者のストレスからくるものだ
ろう…。そうした不満を解消するため、若い人に夢を持たせ、夢をかなえる
社会の在り方が問われるのです。

2006年02月17日

落語・酒の粕

■言葉遊び 「早口ことば」の続きです。
子ども達と上手に言えるようになるまで、大きな声で、何度も繰り返す…。
結構楽しいものです。

「新進シャンソン歌手総出演新春シャンソンショー」 
「高架橋橋脚」(コウカハシ・キョウキャク)
「肉挽く肉挽き機に肉詰まり ひっかかった肉引き抜くのに 
                 引き抜きにくい 肉挽き機で肉を引く」
「この釘はひきぬきにくい釘だ」 「買った肩たたき機高かった」
「長州しょっちゅう焼酎」  「コックのコップ」×3回  「僕のボブ」×5回

「服作る夫婦 靴作る夫婦 古服売る夫婦 古靴売る夫婦」
「規格価格か駆引き価格か」 「絵扇絵団扇」(エオウギ・エウチワ)


【吉村外喜雄のなんだかんだ  - 112】
~ことば遊び~
「落語・酒の粕」

新年会など、お酒が美味しい季節。お酒の席での取り返しのつかない失敗… 
誰にも一つや二つ、苦い思い出があります。「後悔先に立たず」である。
落語や小噺には、そんなお酒のしくじりを題材にしたものが多い。

そこで都々逸から一首。
♪「論語孟子を読んではみたが 酒を呑むなと書いてない」

■落語 「酒の粕」
♪ 「お酒呑む人 花ならつぼみ 今日もさけさけ 明日もさけ」なんてェます。
お酒呑みにも、いろいろ上戸がございます。
"笑い上戸"なんかは、一座が陽気になります。
ほかに、"怒り上戸"に"泣き上戸"なんて、いろいろですな…。

おでん屋などで多いのが"鶏上戸"、「おっとととととととと、っくぴ、けっこう」。
罪のないのが、からっきしお酒の弱い、私(吉村)のような下戸。
酔っ払うと、たわいなく寝ちまうんで"寝上戸"。面白くもなんともありません。

熊「おい、与太郎、なに赤い顔して、ふらふら歩いてやんでェ」
与太郎『ああ、あにぃかい、あたいね、今、大家さんとこの大掃除手伝ったら、
こ~んなに大きな"酒の粕"二つも、もらって、
  それ、焼いて食べたら、すっかりいい心持ちになっちゃって…』

熊「おい、よせやい、いい若いもんが、酒の粕食らったなんて、みっともねェ
や。そういう時はな、嘘でもいいから、酒呑んだって言ったほうが、
   威勢がいいじゃねぇかィ」
与太郎『ああ、そうか、じゃ、今度からそう言うよ…』
     『あ、向こうから、八のあにィが来たよ、八あにぃ!』
八「なんでェ」  
与太郎『あのさ、あたいの顔、おかしいでしょう』
八「うめェ事言うなぁ、俺は前から思ってたんだよ、この町内で、
   おめェくらいおかしな顔したやつはいねえってな!」
与太郎『そうじゃないよ、あのさ、あたいの顔、赤いでしょう…』
八「そういえば赤いな」
   「なんだ、怒ってるエビのしっぽでも食って、腹でも下 したか…」
与太郎『そうじゃあないよ、あたいね、お酒呑んじゃったの!』
八「なんだって、昼間っから豪勢な野郎だな、どのくらい呑んだんだ?」
与太郎『あのね、このくらいの塊、二つ』
八「この野郎、酒の粕、食らったな!」  
与太郎『あれェ、見てたァ…』
八「見てたァ、じゃねェや、どのくらい呑んだって聞かれて、このくらいの塊
  二つってェば、酒の粕食らったってのが、すぐわかっちまうじゃあねェか。
  そういう時はな、嘘でもいいから、このくらいの茶碗でもって、
  二杯キューっと呑んだってみろ! その方が、威勢がいいじゃあねェか…」

与太郎『ああ、そうか、じゃ、今度からそう言うよ…』
     『じゃ今度、誰の所へ行こうかな』
      『あッそうだ、おばさんのところへ行ってみよう。おばさ~ん…』
おば「あら、与太さん、どうかしたのかい」
与太郎『あたいね、お酒呑んじゃったの!』
おば「まあ、ついこの間まで、子供だ、子供だと思っていたら、
    お酒なんか呑むようになったんだねェ…、どのくらい呑んだんだい」
与太郎『このくらいの茶碗で、二杯、キューッと!』
おば「まあ~、ずいぶん呑むんだねェ、
   だけど与太さん、呑むな、じゃないけど、冷やは毒だよ!」

与太郎『ううん…、焼いて食べたよ』

2006年02月21日

ユーキャンドウイット(3)

あるTV局が、某団地の家庭を一軒一軒訪問して、「ぬか床」の有無を聞いて歩い
た。自家製のぬか床で漬物を漬けて、食卓に出している家庭は、十軒に三軒くら
い。大概の家庭は、買ってきたものを食卓に並べていた。

お母さんといえば、ヌカ床に手を入れ、漬物を漬けているイメージがある。
核家族化が進み、女性が社会進出するようになって、母親から娘へ、姑から嫁へ
と、代々受け継がれてきた"お袋の味"が途絶えてしまった。
受け継がれてきた、家庭内の慣習・しきたり・伝統の味、そういった「家族文化」が
継承されなくなったのです。

【心と体の健康情報 - 233】
~子育て心理学~
「ユー キャン ドゥ イット(3)」

人の悪口はいくらでも言える。なのに、人を誉めるのは意外と難しい。
人を誉める習慣がないと、何をどう誉めていいか、分からない…。

小学校5年生のA君。学校では、引っ込み思案で、自信がなさそう…。
道徳の時間に、先生から出された問題は、「二人一組になって、自分の優れて
いるところ三つと、お友達の優れているところを三つ、書き出しなさい…」

「おれ、うまくないもん…。何でこんなの書くんや!」と、大声でA君が叫んだ。
彼「ドッジボールがうまくなった」と書いたK子に、怒ったのです。
先生はA君をなだめつつ、パートナーのK子に「本当にそう思って書いたの?」
と聞くと「ハイ!」。
先生、クラスのみんなにも聞いてみた。「うま~い!」と大きな声。
「先生もうまくなったと思うよ。自信持ってね!」
「ハイ…」と、A君はうなづいた。

A君は、自分のいいところが二つしか見つからず、「残念」と書いていた。
体育は苦手な方だったが、5年生になってスポーツ少年団に入り、
体力がついてきた。ドッジボールでも、皆が「おおっ!」というプレーを連発。

K子は、そのことを見ていて書いたのだが、今まで体育で認められたことが
なかった
ため、みんなからの誉め言葉を、素直に喜べなかったのです。

この時以来、A君は変わった。縄跳びや5分間走などの体力づくりにも、熱心
に取り組むようになった。そして、6年の体育の持久走で、学年2位になった
のだ!
中学に進学したA君の引き出しには、友達K子が書いた「A君のいいところ」
が、大切に仕舞われている…。
                1/30読売新聞 子どもの心「自信を持つと伸びる」より

小出監督が、高橋尚子さんに言った「君ならできる」「ユーキャン ドゥ イット」
この言葉は魔法の言葉ですね…。

2006年02月24日

地球がうめいている…

小池百合子環境相は、昨年夏の「クールビズ」に続いて、冬場の省エネ、
「ウォームビズ運動」 を推奨している。「室温20度で快適生活」をうたい、
ニット製品の重ね着や、保温性の高い下着・帽子・靴下などの着用を促している。

寒いからと、安易に暖房器に頼らず、「寒ければ着る!」の考え方…。
寒くなったら「暖房器で室温を上げる」。そんな習慣を改めなければならない。
私も、この冬から長袖のシャツを着るようにしている。

子どもの頃、朝、目が覚めると、枕元に雪が吹き込んで、積っていた…。
中学の頃、隙間だらけの教室の暖房、大きな四角い火鉢が一つあるだけだった。
網金を乗せ、皆で弁当を温めた。昼近くになると、ご飯の焦げる香ばしい匂いが
教室に広がった。冬寒いのはなんでもなかった。が、しもやけには悩まされた。

【吉村外喜雄のなんだかんだ  - 113】 
「地球がうめいている…」

2月18~19日夜9時のNHKスペシャル。地球温暖化の影響が100年後の
地球に異常気象をもたらす。NHKはそれをシュミレーションして、見ている
私たちに問題を提起した。

ところで、普段は目には見えない"海の中"。温暖化による自然破壊が、驚くほ
どの速さで進行している。あまり知られていないが、この十年の間に、海底は
すっかり荒れ果ててしまった。

開発で土砂が流れ込み、河川汚染なども加わり、サンゴ礁が壊滅し、ダイバー
にそっぽを向かれた沖縄。何億年もかけて作られた美しい自然が、開発という
名のもとに、見るも無残に破壊されてしまったのです。
なのに今また、サンゴの海を埋め立て、新しい飛行場が建設されようとして
いる。
昨年五月、四国の南端・桂島に潜った。ここも、数年前の巨大台風でサンゴが
破壊され、沖へ流されてしまった。
一昨年潜ったパラオも、温暖化の影響で、海中は死滅したサンゴが累々…。
モルジブなど、南アジアのスキューバー・スポットは、地震で壊滅。破壊された
サンゴ礁に大量のゴミが流れ込み、見るも無残…。

そんな中、サンゴ礁を昔に戻そうと、沖縄の人たちが、珊瑚の移植に取り組み
始めた。また、広島では、22才の男性が苦労の末、「クマノミ」の繁殖に成功
した。米・ディズニー映画「ファインディング・ニモ」の、あの可愛い主人公が
そう…。毎月3千匹出荷できるという。
現在、観賞用熱帯魚の99%が自然からの捕獲。こうした地道な活動で自然が
守られるのは、すごく嬉しい。

地球温暖化は、北極先住民族の生活基盤も破壊しようとしている。氷河が海に
滑り落ち、海岸が毎年3メートル侵食されていく。永久凍土が溶けて、住宅を
支える地盤が不安定になり、気候も荒々しくなって、住み辛くなったという。

凍土が溶けて更に怖いのは、氷の下に閉じ込められていたメタンガスが、
プクプク地上に出てきて、成層圏を被い、地球温暖化を促進することです。
海水温の上昇で、台風やハリケーンのパワーが高まり、日本に上陸する台風の
数が増え、大型化している。ここ数年、こうした現象が誰の目にも見えるよう
になってきた。

タイタニック号の乗客は、誰一人船が沈むとは思わなかった。四万六千トン、
全長269メートル(戦艦大和263m)、当時最大かつ最も豪華な客船。
タイタニックが傾きだしても、平然とデッキを散歩する乗客。救命ボートに客
を移乗させ始めたのに、吹きさらしのボートより、快適な船内にとどまりたが
る客…。生き残った乗船者の証言である。 
                            W・ロード著「タイタニック号の最後」

温暖化に、「自分一人、何が出来る…」「自分には関係ない」と言いながら、
化石燃料を大量に消費する私たち。"今"の居心地が優先される。
しかし、地球がいかに広大だとしても、限られた空間であることには、タイタ
ニックと何ら変わりはない…。

誰もが、地球がおかしくなりつつあることに気づいていながら、沈みゆく地球
号に乗っかっているとは、誰一人思っていない。
愚かなのは、タイタニック号の乗客だけではない。私たちも…である。
恐竜に続いて人類も、自然環境の急激な変化で、絶滅するのだろうか…。

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