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人生誰のため、何のため頑張るのか

■人生、最後が良ければすべて良し…
NHK大河ドラマ「義経」で、あかね役を演じた女優の萬田久子さんが、
自らの人生を振り返って、次のように語っている。

「人生はオセロみたいなもの。
途中、白黒いろんなことがあるけれど、最後に白を取れば全部白になる。
人生を振り返ると、途中何年も辛いことがありました…。
けれども、その時期があったからこそ、今があると思うのです。
人生、最後に白を取れたら、すべて良しなのです…」

【心と体の健康情報 - 228】
~幸せな人生を歩むために~
「人生誰のため、何のために頑張るのか…」

誰もが、いい人生でありたいと願っている。だから、自らの人生のために勉強
するのは、しごく当たり前のことです…。
前号で、「勉強は自分のためではなく、人のためにする」というお話をしました。
「自分のためではなく、人のために学ぶ…」。理屈では分かるのですが、今一つ
説得力に欠ける。そこで、更に突っ込んで「人生誰のために、何のために頑張る
のか…」を、考えてみたいのです。

トリノオリンピックまであと一ヶ月。代表選手が次々と決まっていく。
前々回シドニーの女子マラソンで優勝した高橋尚子。「自分がこんな成績を上げ
られたのは、監督さんのお陰であり、応援してくれた皆さんのお陰です」と、
その時のインタビューで語っている。

あれだけの成績を出せたのは、決して自分一人の力ではなく、両親や監督、
応援して下さった多くの方々のお陰だと、自分の中でしっかり受け止め、
それをエネルギーにして走ったという。

そこで思い出すのが、更に四年前、アトランタオリンピツクの時…。
あの時、三位で表彰されたのが有森裕子さん。高橋さんと同じ小出監督に育て
られた。
二位に入ったのがロシアのエゴロワさん、一位はエチオピアのロバさんでした。
NHKは、この三人にインタビューしている。

まず銅メダルの有森裕子さんに、「あなたは何故そんなに一所懸命走るの?」
と尋ねたところ、「私は自分のために走りました」と答えた。
前回は二位、そして今回は三位に終わった。
しかし彼女は、自分自身のためにベストを尽くして走ったのだから、
三位になっても「自分を誉めてあげたい」と、胸を張って言い切った。
その言葉が国民の共感を呼び、その年の「流行語大賞」になった。

銀メダルのエロゴワさんは、同じ質問に対し「それは、家族や親戚のためです」
と答えている。ソビエト崩壊直後のロシアは生活が大変だった。
「自分が頑張れば、家族や親戚が豊かになる」。そのためには、どうしても勝た
なければならない。アメリカに渡り、特訓に耐え、そして、勝利したのです。

金メダルを取ったロバさんは、「私は祖国の名誉のために走りました」と、
凛として答えた。
「私は、東京オリンピツクで優勝したアベベ選手を尊敬しています。もう一度
祖国エチオピアに栄光をもたらしたい。その思いから頑張りました」と言う。
それまで無名だったロバさん。無名の新人が、自分と家族のためだけではなく、
祖国の栄光のために、金メダルを勝ち取ったのです。

三人三様それぞれ、熱い思いを胸に、自らが目標とする栄光のために走った。
人が人生を歩むとき、「どんな思いを胸に歩むのだろうか?」。
かけがえのない人生、自分のために頑張るのは当然でしょう…。
それは、自分を大切にする思いの中から、沸き出てくるものだからです。

けれど、その自分は誰の世話にもならず、この世にポツンと生まれてきたわけ
ではありません。必ず両親があり、家族があり、地域があり、国家があり、
世界があり、生まれてきた時代が関わってくる。
国家との関わりでは、あの忌まわしい太平洋戦争で散っていった特攻隊員や、
モスクワ大会ボイコットで、機会を逸した柔道選手などのことが思い浮かぶ。

家族や周囲の人々のお陰で、学校や地域の人々に支えられたお陰で、日本
という国に生まれたお陰で、持てる力を存分に発揮することが出来たのです。
そういう思いを持ち続けていれば、自分の人生は、決して自分のためだけに
あるのではなく、地域社会すべての人たちとのつながりの中で、生かされて
いることに気づくのです。
そこから、自分に、そして周りのすべてに感謝できるようになっていく…。

そういう気持が、「人から与えられることに満足するだけではなく、人のため
に何かをしたい…、社会のお役に立つ仕事をしたい…、両親に恩返しをしたい
…」。そんな思いが、歳を重ねるにつれ、湧き上がってくるようになる。
そんな思いを実現するために、更に「勉強しよう!」という気になるのです。

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