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三八豪雪の思い出

12月半ばからこんなに雪が降ったのは、二十年ぶりとか…。温暖化で、
もう雪が降らないのかと思っていたら、やっぱり北陸。大雪になった。
■五六豪雪(1981)
当時40歳。大寒波がやってきた日、年賀会で大阪にいた。終了後、ホテルの
部屋に戻ると、「北陸に猛烈寒波」とTVが報道していた。JR・国道・高速道路、
北陸方面への交通網はすべてOUT…

同室のH社長と、「どうしよう? 帰れなくなる…」「羽田から小松便がまだ飛で
いる!今すぐ東京へ行こう…」。二人の決断は早やかった。新幹線に飛び乗った。
翌日何とか小松空港にたどり着いた。その日の午後、空港は閉鎖された。
ちゅうちょしていたら、大阪のホテルに缶詰になっただろう…

【吉村外喜雄のなんだかんだ  - 108】
~歴史から学ぶ~
「三八豪雪の思い出」

昭和38年の正月は、例年になく雪が少なかった。当時私は22歳。
1月11日の夜、高校のクラスメイトの家で久しぶりに酒を飲み、談笑した。
夜もふけた12時過ぎ、家に帰ろうと外に出たら、ビックリ!
来るときには無かった雪が、40センチも積っている。寒波襲来である。
真夜中、ひざまである雪をかき分け、吹雪の中を家に帰ったのを覚えている。

その後三週間降り続き、平年の3倍、3mを超える未曾有の大豪雪になった。
15日65センチ、大雪注意報発令。23日135センチ、史上第二の大雪に。
横安江町アーケード崩壊。27日181センチ、史上最大の積雪を記録。
金沢城お堀通りにある、スポーツセンターの屋根が抜けた。

片町から犀川大橋への何でもない上り坂。零下6~7度の猛烈な寒波で、
道路は"キンカンなまなま"(カチカチ/金沢にしかない方言)、カガミのよう。
自動車があちこちで立ち往生…。皆で押しても動かない。

国道・国鉄などの主要交通網は寸断され、市民生活は完全に麻痺…。
福井県には、死者31名、家屋の全半壊10,244棟の記録が残っている。
当時の便所は汲み取り式が多かった。し尿処理の衛生車が入れず、市民生活
に支障をきたした。


(住宅の二階まで埋まった雪を
かき出す。長いツララに注目)

降り積もる雪と、繰り返す屋根雪下ろしで、道幅の狭い金沢の裏町、一階部分が雪で埋まってしまった。

妻の実家は道の狭い材木町。毎朝、雪に埋もれた家から外へ出るのに、まず、玄関の中に雪を掻き入れ、 道路に登る階段を作る。二階の窓から出入りする方が、よっぽど楽である。   

一日かけて会社の周りの雪をのけても、翌朝また同じだけ積った。 仕事にはならず、屋根の雪下ろしと除雪に明け暮れる毎日だった。 関西から応援に駆けつけた機動隊員が、夕方帰りがけ、突然驚いた声で、「おおッ、電灯が足元で光っとるわ!…」        

当時私は日立に勤めていた。二週間経っても降る雪は止まない。県内の電気店
からは、暖房器を早く届けて欲しいとの矢の催促。そこで、キャラバン隊を組 んで、トラック三台で能登方面に向った。一日かけて、何とか羽咋までたどり 着いたが、それ以上は無理。やむなく引き返したのを覚えている。

国道8号線の除雪が終わり、全線開通したのは、一ヶ月後の2月11日になって からである。

この三八豪雪が教訓となり、本格的に機械除雪が整備され、市内の主要道路 に融雪パイプが敷かれた。そのお陰で、18年後の五六豪雪の時は、混乱を 最小限に食い止めることができた。

ようやく落ち着いた二月中旬、私は将来全国をまたに商いをしたいと、東京の 会社へ面接に…、復興開通したばかりの上越線で上京した。 蒸気機関車が客車の前部と後部を挟み、先頭にラッセル車を連結して、あえぎ ながらの峠越え。雪ですっぽり埋もれた鉄路を、11時間かけて東京へ行った。

就職内定の通知が届いた。念願の上京! 夢が大きくふくらむ (^-^)/~ 三年間お世話になった会社を退職し、慌しく上京の準備へ…。ところが、直前 の3月30日になって、病気の再発が分かる (-_-; 万が一にと検査を受けた、 その日の午後、まさかの緊急入院。隔離病棟に入れられた。
又も夢が弾けた。高二に続き二度目…。忘れることのない昭和38年の春です。

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