■孟子の言葉
天が重大な任務をある人に与えようとするとき
必ず まずその人の精神を苦しめ その筋骨を疲れさせ
その肉体を餓え 苦しませ その行動を失敗ばかりさせて
そのしようとする意図と 食い違うようにさせるものだ
これは 天がその人の心を発慎させ 性格を辛抱強くさせ
こうして 今までにできなかったことも
できるようにするための 貴い試練である
※壁にぶつかった時、何をやってもうまくいかないときなどに、
孟子のこの言葉を繰り返し黙読すると、不思議とヤル気が湧いてくる…。
【心と体の健康情報 - 213】
~古典から学ぶ~
「論語/由らしむべし、知らしむべからず」
以下、「論語の友・9月号/今月のことば」からの抜粋です。
「子曰く、
民は之に由らしむべし。之を知らしむべからず」(秦伯第八)
上記の孔子のことば、ちょっと論語をかじった程度の私のレベルだと、
「人民は只ついて来させるべきで、政治の内容まで知らしめるべきではない」
と読んでしまう。
「孔子様はけしからん。いくら封建時代とはいえ、権力者に迎合し、専制政治を
擁護していてる…」という風に解釈し、非難しそうになる…。
漢文は色々な読み方ができて、それだけに誤解も生じやすい…。
「論語読みの論語知らず」と言われるゆえんである。
人間学の権威、安岡正篤先生は、「苦労人の孔子が、そんなことを言う筈がな
い」と一蹴している。解釈の誤りである。
読み方を変えれば、
「人民というものは、どんなに懇切丁寧に解説しても、政治の本意を
知らしめることは、まことに至難である。だからせめて、人民から信頼
されて、なんだか分らないが、あの人に従っていけば、良くなりそうだ」
というふうに、解釈したらどうか…。
さて、今回の郵政解散は自民党の圧勝に終わった。刺客を送り込んだことで、
自民に内部抗争が起き、民主が漁夫の利を得、いよいよ政権交代か? と、
一瞬思った。
郵政を民営化するのは「いいのか?」「悪いのか?」、 国民には、さっぱり分
らない。賛成を唱える人の話しを聞けば、そのように思えてくるし、反対の意
見を聞けば、「そうかなぁ」と思ってしまう。国民にその真意を知らしめること
が、いかに至難なことであるか…、今回いやほど納得させられたのです。
果たして自民党が民主党に敗れ、政権が崩壊して野に下るか、郵政民営化
に賛成して、引き続き小泉政権を支持するか? 文字通り二者択一の、一大
決戦の場を、首相自らが演出し、国民に下駄を預けたのである。
国会では、法案が否決されているだけに、まさに、国民に信を問う、捨て身作
戦である。ここまでくると、国民も真剣に考えざるを得ない…。
結果は自民党の圧勝。国民は「小泉さんが、政治生命を懸けて、郵政民営化
に取り組んでいる。何だか分らないが、小泉さんに従っていけば、良くなりそ
う」と、小泉首相の勇断に、国民の多くが好感を持った結果の数字であろう。
今のところ、「民を由らしめ、民により明快に知らしめた」、ということでしょうか