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教育とは…

ノエビアは毎年、全国上位にランクした優績支店のスタッフを全員、アメリカや
ヨーロッパの研修旅行に招待している。

昨年はラスベガスだった。出発の時から研修が始まる。一人ひとりにロスまで
の航空券が渡される。到着後のラスベガスまでの移動は、各自の自由。
二人一組で、レンタカーや長距離バスなど、何らかの手段で、指定日時までに
目的地に集合しなければならない。支店スタッフ揃っての移動は認められない。

全員到着後、どんなルートを、どんな交通手段で移動したか? いくら掛かっ
たか? 何故その手段を選んだのか? その方法は最善だったか? 
意思の伝達はうまくいったか? 何が障害となったか? …自分達の行動を
振り返ることから研修が始まる…

【心と体の健康情報 - 209】
~子育て心理学~
「教育とは…」

8/10NHK朝の連続ドラマの1シーン。小学校の男の子、夏休みにプール
で泳ぎを習っている。ある朝突然、プールへ行きたくないと、タダをこねた。
母親やお姉ちゃん、諭したり叱ったりしたが、ガンとして言うことを聞かない。
ついに父親が「バカなことを言ってないで、行きなさい!」と、怒鳴りつけてし
まった。少年は一人部屋に閉じこもってしまった。

しばらくして母親が部屋に行き、「何で行きたくないの? わけを聞かせて…」
と、親の考えを押し付けないようにして、訳を聴くことに終始した。
理由は「3mしか泳げないから…」だった。

そこでお母さん、「3mも泳げるなんて偉いじゃん! お母さんなんか、小学
生のとき、全然泳げなかったんだから… もう少し続けたら、もっと泳げるよ
うになるかもね! そうしたらお母さん嬉しい…」と、ほおづりした。
少年は水着を手に取り、喜び勇んで家を飛び出していった。

教育とは、与えるものではない。手取り足とり親切丁寧に教えようとしても、
本人にその気がなければ、無駄骨に終わってしまう。勉強部屋をあてがい、
沢山の参考書を買い与え、塾に高いお金を払って、環境を整えて子どもに
勉強させようとしても、学ぶ気がなければそれまでである。

どんなに恵まれた環境にあっても、自らの意思で、自ら体験し、自ら学び、自ら
努力して習得したものでなければ、身には付かないだろう。
本当の教育は、 「不便・不自由・不親切」でなければならないと思う。 学生たち
に不便と不自由と不親切を与えると、大変苦労する。その苦労が人間を育てる
のです。苦労することが、感動を呼び起こすのです。

このような教育こそ、今の子どもたちに必要なのです。何でも欲しいものを買い
与えるのは、子どもの為にはなりません。親のかまい過ぎは、子どもから、自ら
考える知恵を奪ってしまう。
成人した後も、親に依存し、自ら行動しようとしない、言われたことしかしない、
周りへの気配りが出来ず、社会集団に溶け込めない人間になってしまう。

松下政経塾の副塾長をしていた上甲 晃氏。今は、志ネットワーク「青年塾」の
塾長。後継経営者の育成に当たっている。その入塾方法がユニークで、常識を
外れている。
「青年塾」の入塾場所、交通の便利な駅前の一流ホテルで、空調の整った快適
で学びやすい環境と思いきや、岐阜県の山奥、交通の不便な片田舎。集合日時
は、郵送されてきた一枚の案内封筒のみ。時間厳守とある。

どこをどう行ったらいいものか? まず、親から事務局に電話が入ってくる。
「どうやって行ったらいいでしょうか? 地図をFAXして下さい」「前泊すると
したら、旅館を手配して下さい」
『送付した案内書にすべて書いてあります。方法は自分で考えて来て下さい。
時間厳守です』。事務局員はそれだけ応えて電話を切る。

息子さん、立派に成人しているのに、どうして親が心配し、構うのだろうか?
いつまでも子離れできない親。受講する本人が聞いてくるのならまだいい。
親離れできていない受講生が、研修にやってくる。

研修場の設営は受講生にやらせる。廃校を利用したため、教室の形になる
のに二日間かかった。草ぼうぼうで、分らなくなっていた学校への長い石段
も、見違えるほどきれいになった。皆でひたいに汗してようやく、研修所らしく
なってきた。生徒たちは、そこで最初の感動を体験するのです。

苦労が多ければ多いほど、学びも大きくなる。そのモデルが、つい最近まで
あちこちの小学校に立っていた二宮金次郎であり、近江商人の「てんびんの
詩」なのではないでしょうか。
子どもに苦労させるには、子育てに対する信念がいります。親も我慢し、子ど
もと共に辛い思いを共有する気がなければ、本物の教育にはならないと思う。

青年塾の合言葉は、「一番苦労した人が一番感動する」。
やっているときは、苦労を背負わされた人が一番損をしたように思う。しかし、
一番得するのは、苦労した人なのです。そのことを、身をもって学ぶのです。

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