イタリア在住の日本人女性が書いた「ローマの平日」というエッセーの中に、
イタリア人は、人前でへりくだった言動や態度をとることが全くないと、書かれ
ていた。つまり「謙遜」ということを知らない。
ですから、日本人が奥さんを紹介するとき、うっかり「うちの愚妻は…」などと、
謙遜した物言いをしようものなら、大変です。
むしろイタリア人は、人前で自分の妻や子どもを褒めちぎる。「相手を立てて
一歩引く」「謙遜する」といった文化がない。良し悪しはともかく、自らの考えは、
謙遜したり遠慮したりすることなく、はっきり相手に伝えようとする。
【吉村外喜雄のなんだかんだ - 88】
~日本人のアイデンティティー~
「欧米人が奇妙に見えること(2)」
習慣や文化の違いで、エチケットに反する行為をしてしまうことがある。
人を手招きする時、日本人は手のひらを下にして、おいで、おいでをするが、
欧米では「あっちへ行け!」というゼスチャーになる。
手のひらを上にして手招きしないと、相手に不快な思いをさせてしまうので
す。
そのほか、肩をポンと叩いたり、子どもの頭をなでたり、人を指さしたりする
ことも嫌がられる。
江戸川柳に、「笑うたび 嫁手の甲を 口へ当て」というのがある。
日本では、女性が笑うとき、大きな口を開けるのははしたないと、口元に手
を当てるのがたしなみとされている。
しかし、欧米のマナーに従うなら、女性も大口を開けて笑わなければならな
い…??
家庭を訪問したとき、玄関に入ってコートを脱がないのが、欧米の習慣です。
しかし、女性の前では帽子はとらなければならないし、女性と握手するときは、
男性から先に手を差し出さないことです。
それと、ショッピングのとき、商品に触り、手に取るのは、マナーに反すると
言われる国があるので、外国へ行くとき注意しなければなりません。
話が変わり、一昨年は「SARS」で大騒ぎした。SARSといえば「マスク」。
日本でマスクが普及したのは、1918~19年にかけて。世界中にスペイン
風邪が猛威を振るったときです。その4年後の関東大震災で、広く定着した
と言われている。
中国では、街を歩くほとんどの人がマスクをしていた。ところが、スペイン風
邪で数千万人もの死亡者を出したヨーロッパでは、日本や中国とは逆に
「マスクをしている人はウイルス感染者。近寄るな!」という悪いイメージが
浸透してしまい、あれから百年近く経った今でも、「予防のためにマスクをす
る」という習慣がないという。
また中国のお正月は、どの家庭でも白と黄色の菊を、お祝いごとの花として
飾る。日本では、葬儀の祭壇を飾る花のイメージが強い。
ノエビアでは、婦人服や女性の下着も販売している。
商品カタログのモデルさんは、100%すらりとした小顔の白人女性である。
実際に着るのは身長も、体形も、肌色も違う日本の女性なのに、白人女性が
着てかっこよく見えるからって、自分も似合うと思うのでしょうか?
ファッション雑誌の広告のほとんどは、白人がモデル。欧米人が奇妙に思うの
です。日本人の白人への憧れ、コンプレックスの現われではないでしょうか。
白人は、黒髪の女性を美しいという。日本人は、ツヤのある美しい黒髪を茶髪
に染めて美しいと思っている。最近は黒髪の女性が珍しいくらいです。
「へぇ~」と思うのは、日本の女性は整形して鼻を高くしようとする。アメリカの
女性は、可愛くて小さな鼻にあこがれる。そこで、鼻を低くしようと整形する。
日本では、女性が結婚すると、みんな「△△ちゃんのママ」「□□さんの奥さん」
と呼ばれる。ちゃんとした名前があるのに呼んでもらえない。外国から来た女
性は、存在を否定されたようで、すごく寂しい思いをするという。
きりがないのでここまで…。