■徳川家康「東照宮遺訓」
一. 人の一生は 重き荷を負うて遠き路を行くが如し 急ぐべからず
一. 不自由を常と思えば不足なし
一. 心に望みおこらば 困窮したる時を思い出すべし
一. 堪忍は無事長久の基
一. 怒りを敵と思え
一. 勝つことばかり知りて負くる事を知らざれば 害その身に至る
一. 己を責めて 人を責むるな
一. 及ばざるは過ぎたるより勝れり
最初の「人の一生は重き荷を負うて…」は、ズシッと心にしみる言葉です…。
この言葉、家康の言葉ではなく、”千利休”が言った言葉というのが、最近の
歴史家の通説。
どの言葉も、素晴らしい人生訓になる。頭では理解していても、実際に行う
となると…?
【心と体の健康情報 - 198】
~幸せな人生を歩むために~
「頭で考えているだけでは身につかない…」
以下、「ひろやかな心」修養団 中山靖雄先生の講演から…。
新入社員研修でのこと。 「あなたの人生のモットーは何ですか?」と尋ねた。答えで一番多かったのが、「初心忘るるべからず」でした。 「私のモットーは、初心忘るるべからずです」と答える社員が、あまりに多かったので、「では…、 あなたの初心とは何ですか?」と尋ねたら、帰ってきた答えは、「……、別にありません」。 なにげないことで、深い意味もなく、なんとなく観念的に答えてしまうことがあるものです。 |
火曜夜8時の人気番組「踊る!さんま御殿!」を真似て、「私の心に残る恥ず
かしかったこと」。それは、小学六年の時のこと…。
クラスのホームルーム、当日は父兄参観日。教壇に立ち議長を務めた。
先生から与えられたテーマは、「あなたの人生のモットーは何ですか?」。
右端のクラスメイトから順に聞いていった。思い浮かばず、黙り込む生徒も
いた。「何かあるでしょう…」と、私は懸命に進行役を務めた。
生徒への質問が一巡して、最後に私の番になった。議事進行に夢中で、
自分のことを話す準備をしていなかった。みんな注目する中、何かを話さなけ
ればと焦る。焦れば焦るほど、頭の中は真っ白! 顔は真っ赤。
何も言えず、時が経過していった。恥ずかしかった…。自尊心はズタズタ…。
そのときのことを、50年を経た今も、思い出すと心がうずく。
引き続き中山先生の講演から…
学問をするのはいい。しかし、頭の勉強をいくらしても、それ自体意味をなさないし、身につかない。
理屈だけではダメなのです。 そこで私、「受付は会社の顔ですよね、みんなに明るく接してあげて下さいね」「後ろに”
心一つに親切運動”って書いてあるでしょう…」と言ったのです。
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人ごとではなく、私たちの会社でも案外同じようなことが起こっているかも…。
頭では理解していても、いざとなると、身についていないことは、なかなか
目的に添ったようにはならないものです。