4月23~24日、私たち夫婦は、息子夫婦と1歳と3ケ月の孫の手を引いて、
京都へ家族旅行した。京都駅に着くや、まず駅ビル伊勢丹デパートへ。
お目当ては、七階の子ども服とオモチャ売場。
用のない私?は、その間、同じ階にある伊勢丹美術館へ…。
前々から鑑賞したいと思っていた「ジミー大西作品展」です。 (^-^)/~
まばゆいばかりの作品100点。一点一点に魅了し、じっくり鑑賞した。
[吉村外喜雄のなんだかんだ 第77号]
~幸せな人生を歩むために~
「ジミー大西の新しい人生~キャンバスからはみだせ~」
「人は誰でも、一隅を照らすだけの力量を与えられてこの世に生まれてくる」
これは人間学の師、安岡雅篤のことばです。同じことを森信三先生も語っている。
「誰もが、一通の封筒を持って生まれてくる。その封筒には、その人の人生の使命が書き込まれている。封筒は、
四十の頃までには開くようにしなければならない。ところが封筒を開くことなく、一生を終えてしまう人のいかに多きことか…」
。
ジミー大西といえば、吉本興業のお笑いタレント。仲間の”アホの坂田”などと、
お茶の間に笑いを振りまいていた。最近TVで見かけないと思っていたら、タレントを廃業して、画家になっていた。
そのジミー大西さん、あの天才ピカソと見まがうような、すごい絵を描くのです。
「母とぞうきん」 「ゴール前」 |
彼のプロフィールを紹介しよう。94年に、ジミーがTV局の企画で描いた絵が入賞した。その天性の作風が注目された。
その後、芸能生活のかたわら個展を開いたり、巨大壁画やポスター、絵本などを制作するようになり、 あの岡本太郎に絶賛された。
自由奔放、まばゆいばかりの色彩。
キャンバスからはみ出んばかりのエネルギッシュで独創的な構図。
遊び心いっぱいの既成概念にとらわれない作風は、見るものを引き付けて放さない。知らず知らず口元がほころび、 童心へと導い込んでいく。
96年芸能界を引退。画家一筋の人生へ…。
あこがれのピカソの故郷、スペインに移住。ジミーを誰一人知らない異国の地で、
胸の内にあった芸術への想いを一気に爆発させ、本格的創作活動に入る。
そして、”大西秀明”のペンネームで、次々と作品を生み出していった。
ピカソは私の好きな画家の一人です。ピカソ展には何度か足を運んだ。
こうした作風の画家は、いずれも既成概念にとらわれず、自由奔放、天才肌。
そのデザインは”ミレーの落穂拾い”のような、キャンバスに細かく描写していく足し算型ではなく、どんどん引き算して、
いかにシンプルに描き、エレガントさを引き出すか…。そんな作風が魅力なのです。
菩薩美人の版画家、宗方志功。切り絵の放浪画家、山下清。何れも色彩鮮やかで、躍動感に溢れ、
シンプルでダイナミック。見る人を引きつけて放さない。
芸能人では、墨彩画の片岡鶴太郎が異彩を放つ。
TVではアホ役をやらされていたジミー大西。あのタレントにこんな素晴らしい才能があるとは…。 人は分からないものです。今まさに天から与えられた使命を開花させようとしている。日本のピカソ、今後の活躍が楽しみです。
「ジミー大西作品展」は5月15日まで、京都伊勢丹美術館で見ることができる。
機会があれば、是非立ち寄ってみてください。