今、ゆとり教育の見直しが叫ばれている。
東京での話。華僑や中国人の子どもたちが通う小学校に、日本人の親が、我が子
を日本の学校ではなく、中国人の学校で学ばせたいとやって来る。
華僑が自国の子弟のために、お金を出して建てた学校。日本の子どもたちの学校
ではない。ところが入学を希望する親が引きもきらない。そこで、クラスの一割程度
を枠に入学試験を実施し、受け入れている。その人気の秘密は、学校の教育指導
にあった。
(1)得意科目を更に伸ばしてやることで、一人ひとりの能力を引き出し、
子どもたちの学習意欲を高めていく。
(2)毎日たっぷり宿題を出す。ついて来れない生徒には、放課後の補習など、
徹底した詰め込み型の反復学習。小学生だからと甘やかさない。
しっかり教えるので、塾へ通わせる必要がない。
(3)教科書も、教室での会話もすべて中国語。自然と二ヶ国語の読み書きが
出来るようになる。
卒業後は語学力を生かし、中国に関係した会社に就職する人が多いという。
日本の教育の在り方に疑問を持つ親が、我が子を華僑の学校に入れたがるのです。
【心と体の健康情報 - 191】
~子育て心理学~
「遊びが子どもを育てる」
最近雑誌などによく登場する、イー・ウーマンの佐々木かおり社長が、
「子どもの教育」について語っている。
子どもたちは誰もが皆、褒められたいと思っている。愛されたいと思っている。知りたいと思っている。
応えたいと思っている。 学力の低下が問題視されている。子どもたちの学力は本当に下がっているのだろうか?
私はそうは思わない。学びに興味を引き出し、広げていく大人たちが、周りにいないからでしょう。
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私の子どもの頃の思い出は、野山と太陽と腕白仲間である。学校から帰ると
ランドセルを放り出して、泥だらけになって暗くなるまで外で遊んだ。
戸外でよその子どもたちと遊ぶうちに、将来社会人となるための、何物にも
代え難い経験を積んでいく。川で遊んでいて、溺れかかったり、塀から飛び降
りて五寸釘が刺さり、怪我をしたこともある。
親は、外で何をしていようが無頓着。怪我を隠して、父親の刻みタバコを失敬
し、止血しても、親には一切話さなかった。今なら、病院へ担ぎ込んで、何針も
縫って大騒ぎするだろう。生傷が絶えなかったが、大きな怪我はしなかった。
何度か痛さを体験しているうちに、それを避けるすべを、知らず知らず身につ
けていった。
佐々木かおり社長は続けて…
親が子どもを気遣えば気遣うほど、過保護になる。過保護は、子どもが幸せになること、
そして様々な経験を積むことを、子どもたちが自立する機会を、奪い取ることになる。 昔もいじめはあった。しかし、それは子どもたちの中で解決してきた。だから、
今ほど大きな社会問題にはなることはなかった。 |
私の子供の頃は、どこまでやればいいか、喧嘩の仕方を知っていた。相手を
ひどく傷つけることもなく、痛いことも、辛いことも、その場限り。すぐ忘れて、
また皆と一緒に遊んだ。毎日路地裏で遊んでいるうちに、手加減する術を身
につけていった。
親もまた知らぬ振り。決して子どもの喧嘩に首を突っ込むようなことはしない。
なまじに、親が子どもをかばい立てするから、かえって子どもに依頼心を起こ
させ、子どもを弱い人間にしてしまう。昔の親は、そのことをよく知っていた…。
今は、近所で一緒に遊んでくれる子は一人か二人。我がままに育っているか
ら、友達は少ない。一人部屋にこもってゲームをして遊ぶか、塾通い。友達と
のコミュニケーションは、もっぱら携帯電話。
不幸にも、子育てを放棄した猿の赤ちゃん。飼育係りが親代わりに、ミルクを
与えて育てた。一人歩きするようになって、群れの中へ放した。喜んで群れに
入ったが、追い出されてしまった。集団生活の経験がない。群れのルール、
序列を無視して、餌に飛びついたからである。
これと同じことが人間社会で起きている。社会人になって、人間関係がうまく
いかず、閉じこもってしまう若者が増え、社会問題になっている。石川県には、
昨年不登校の小中学生が1,100人もいる。そういった子が成長するにつれ、
より深刻になるケースが目立つという。