先週日曜日の朝、福岡県沖でマグニチュー7の地震が発生した。九州北部の地震発生確率はわずか0,4%(金沢は5%)。
過去百年のデーターでも、全国で最も地震の少ない地域。「まったく想定外の地域で起きた」と、専門家も驚いている。
振り返れば、神戸震災も、新潟中越地震も、まったく無警戒の地域。日本列島、地震の活動期。どこで地震が起きてもおかしくない。
神戸と同規模の激震が100万都市を襲ったにもかかわらず、家屋の倒壊が少なく、死傷者も少なかったのは、
福岡県が硬い地盤に覆われていたことと、直下型を免れたからだという。
阪神大震災の犠牲者の八割は建物の倒壊が原因。もし同規模の地震が金沢を襲ったら、ただでは済まないだろう。金沢の北部は地盤が軟弱。
山手は地すべり地帯。
道路も狭く、耐震性に弱い古い木造家屋が七割以上。
2000年には鳥取、そして新潟、福岡…。次々地震に見舞われた。裏日本で残る空白地域は…? 災害は忘れた頃にやってくる。 普段からイザというときに備え、用心するに越したことはない。
【吉村外喜雄のなんだかんだ 第72号】
「地震保険ってどんなもの?」
忘れた頃にやってくる災害。皆さん、地震保険に入っているでしょうか?
全所帯比加入率は16%くらい。地震のない石川県は、10%にも満たないでしょう。
地震で怖いのは、神戸のような火災が起きて、次々と家が燃えてしまう被害。
地震が原因で起きた火災については、通常掛けている火災保険は下りません。
別途、地震保険に入っていないと補償されないのです。
しかも、地震保険は、通常の火災保険に加入している人しか入れないのです。
加入できる額は、建物五千万円、家財一千万円まで。更に、別途普通に掛けている火災保険の30~50%
の範囲内と決められています。つまり、建物に二千万円の火災保険を掛けていたら、
地震保険には1千万円までしか加入できないのです。
地震保険の保険料は、過去五百年のデーターをもとに、一等地から四等地まで四段階に分かれています。
一等地…北海道、福島、島根、岡山、広島、山口、香川、福岡、佐賀、鹿児島、
沖縄
二等地…東北各県、茨城、栃木、群馬、新潟、
富山、石川、山梨、鳥取、長崎、
四国三県、九州各県
三等地…埼玉、千葉、長野、福井、滋賀、岐阜、愛知、三重、奈良、京都、大阪
和歌山、兵庫
四等地…東京、神奈川、静岡
保険料は、四等地が1番高く、一等地が1番安くなります。四等地の木造家屋に一千万円の補償を付けた場合、 年間保険料は35,500円。一等地の岡山ならば、同じ条件で、三分の一の12,000円で済みます。
福岡や新潟のように、一等地だから、二等地だからと安心していたら大間違い。
日本で地震の心配がない土地などどこにもないのです。石川県は過去、比較的地震が少ないということで、
割安に査定されているだけです。
尚、昭和56年6月以降に建てられたものであれば、更に10%安くなります。
そして、耐震強化の基準を満たしていれば、10~30%割引されます。
地震保険の加入者が少ないのは、保険料率が高いことと、肝心の地震がいつ来るかわからないからでしょう。だからと、
やめた途端に地震が来たら、これは悔しいでは済まされません。安心を買うために入り続けるしかないのです。
ほうじん10月号「暮らしのレーダー」より