[西日本で、いまだに女人禁制が守られているところ]
- 滋賀県守山。産後一ヶ月は鳥居をくぐってはいけない
- 祇園祭りの「鉾巡業」。すべての鉾が女人禁制
- 春日神社の祭礼のおみこしは、女性がかつぐことも、さわることもできない
- 奈良の吉野「大峰山」は修験道の聖地。女性の入山禁止
- 岸和田の「だんじり」。女は不浄。だんじりに乗ってはいけない
- 綱をまたいではいけない
- 出雲大社の吉兆の行列
- 新居浜の石鎚山の七月一日のお山開き。女性の登山は認められない
- 博多山笠は、一切男性のみで行われる行事。期間中女性を近づけない
【吉村外喜雄のなんだかんだ 第31号】
「女人禁制」
5月8日の北国新聞に掲載されていた記事を見て、以外に思った。
大相撲の土俵に女性を上げることの是非を問うアンケートに対する回答である。
■[相撲の伝統(女人禁制)は守るべきと思うか]
全くそう思う | そう思う | その他 | 支持率 | |
男性 159人 | 82人 | 37人 | 6人 | 74.8% |
女性 116人 | 42人 | 34人 | 40人 | 65.5% |
計 275人 | 70.9% |
相撲協会は、過去何度か、太田房江大阪府知事が千秋楽で土俵に上がることを拒み、マスコミの話題となっていただけに、
男性はともかく、女性の支持率の高いのには驚いたし、以外であった。
女人禁制の慣わしは、古くから女性はけがれている、不浄とされ、清浄を重んじる神社の神事から遠ざけられて来た。
けがれの象徴が「血」。女性の生理・出産は不浄とされ、女人禁制の理由にされてきた。
宗教界でも、女性は不浄とする伝統がある。禅僧は修行を通して、あらゆる雑念を打ち払っていかなければならない。
「禁欲生活の支障になる」との理由で、女性を遠ざけてきた。
もう一つの大きな理由は、禅僧は托鉢で施しを受けて、何とか生きながらえている。妻帯し、妻子を養っていく収入がない。
いくら修行僧といえ、身近に若い女性がいれば、男女の恋も芽生えてくるというものです。
同じ5月8日の新聞に、メキシコ五輪金メダリスト三宅義行氏の長女が、金沢で開幕された重量挙げ全日本選手権で優勝し、
アテネ五輪代表入りに大きく前進したとの一面記事。
今回のオリンピックの代表選手。初めて女性選手が、男性の数を大きく上回った。重量挙げだけでなく、レスリングやサッカー、
ソフトボールなど、男性をしのぐ活躍が期待されている。
今まで男性の牙城と言われてきた世界に、どんどん女性が進出して、古い因習の壁が破られてきているのです。
昔は、女性が白山や立山に登ることは許されなかった。今まで頑固なまでに女性の運転手を拒んできた私鉄・JRも、
三~四年前からちらほら女性の運転手が誕生するようになった。
「トンネル工事現場内は女人禁制」の慣習があるが、それもぼちぼち破られつつあり、
女性がトンネルの見学会に参加できるところもある。
相撲協会が、沢山の女性ファンに支えられていることを思えば、いつまでも伝統を固持し続けるわけにはいかないだろう。
こんな文章を書いていて、ふと、近頃は逆に「男子禁制」が増えてきているように思う。
東京私鉄の「女性専用車両」、「女性だけの宿泊ホテルや賃貸マンション」などがそう…。