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日本人が日本人でなくなった?

春になり、中国特需などの影響で、景気が回復しつつあるようです。そのせいか、二月の個人消費が前年度比5%アップしたという。

ところが、その発表に異論を唱えている評論家がいる。今年はうるう年、一日長い。それだけでも指数が3~4%伸びる。 しかも29日は日曜日であった。
二月という月は、その他の月よりも2日から3日短いため、日曜日も4回が普通。ところが、今年の二月は日曜日が5回あった。

日曜日は、デパートやショッピングセンターがお買い物客でにぎわう。
平日の3~4日分の売上がある。そんなわけで統計上、前年同月比5%消費が伸びてあたり前。 決して景気が回復して出た指数ではないと言うのです。
もしかしたら、逆に1~2%、前年より悪かったのかもしれないと言う。

ものを見るときに、固定観念に囚われていて、同じ方向、同じ観点からしか見ていない場合が多い。普段、会社の中から外を見て、 あれこれ判断しているが、一歩会社の外へ出て、外からじっくりと会社を見つめてみると、今まで見えなかったものが、見えてくるかもしれない。

【心と体の健康情報 - 140】
~日本人のアイデンティティ~
「日本人が日本人でなくなった?」

(株)アシストの代表取締役はビル・トッテン。米国人です。米国人から見た日本。
なるほどと納得できる切り口で、日本人を分析しています。

聖徳太子の時代から1990年頃までの長い歴史、 日本人の心には、 倫理道徳が存在し、 そしてその倫理や道徳によって日本人が守られてきた。
しかし、今の日本、すなわち日本人には、倫理や道徳が無くなってしまっている。
これは、日本人がいなくなったということです。今いるのは、日本人にそっくりの日本人がいるということです。

ところが、困ったことに、そのそっくりの日本人が、自分は純粋な日本人だと信じて疑わないことです。 百年も昔にアメリカ大陸へ移民した日系人の三世・四世は、論語を知らない。 仏教を知らない。武士道を知らない。 神道を知らない。 日本の古典を読んだことがない。 そういった日本人のそっくりさんと同じになってしまったのです。
古来日本人が学び、受け継いできた四書五経や、 仏教思想などの学問は、戦後教育で途絶えてしまった。戦前、 そういった教育を受け、身に付けた人達も、1990年頃を最後に、政治、経済の第一線から退いていった。 と同時に、倫理や道徳感の欠落した社会になってしまったのです。

経営者も、政治家も、国民も、子供たちも、社会のすべてから倫理感が失われ、消えていった。 経済の活力が失われ、企業犯罪、社会犯罪が増加し、麻薬、失業、企業の破産が増えていった。 あの善き日本が失われてしまったのです。

そういった日本人を象徴した事件が、雪印や佐藤観樹議員の秘書給与詐欺事
件でしょう。倫理観の欠如、自らの非を潔しとしないなど、その言動に批判噴出
したが、人ごとではなく、今の社会に生きる、私達すべてに当てはまる出来ごと
ではないでしょうか。

日本人が日本人でなくなったのは、国旗を掲げず、国歌を歌わず、自国の宗教・ 思想をおろそかにし、歴史を学ばず、二宮金次郎など、古き善き賢人から学ぼうとしない。
そのくせ、欧米人にあこがれ、欧米文化なら何でも受け入れる国民なのです。
欧米企業の真似をして、経営合理化の名のもとに、社員を能力で評価して差別し、都合が悪くなれば、 社員の首を切ることしか考えない。
何事も米国流のやり方が正しいと思い、アメリカに同調し、自国を守るこすらも
米国任せ。で、敗戦国で自立していないのは日本だけ。ドイツも、イタリアも、自立国家としてとっくの昔に、 主権を回復している。

古来日本人が受け継いできたアイデンティティーは、「みんな仲良く」です。
一個人の幸せよりも、共同体の中に身を置き、和を大切にしてきた民族なのです。
地主と小作の間柄は一つのファミリー。収穫の後の村祭りは、みんな一緒になって五穀豊穣を祝った。
あの貧しかった江戸時代の農民が、同じ村の地主庄屋を相手に氾濫を起こした記録など、あまり聞いたことがない。

今の日本、古来から受け継がれてきた、儒教思想、仏教思想、日本の古典などが、 私達の体内から消えてしまったということです。それは、日本の文化、日本人の奥ゆかしさ、礼節などがどこにも存在しない、 「損か徳かだけでモノを判断する社会」になったということです。

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