私は英会話が大の苦手です。
街で突然白人に呼び止められ、英語でペラペラやられたら、ドギマギして、声まで上ずってしまう。英語コンプレックスである。
日曜日の夕方、テレビでそんな番組をやっている。ほとんどの日本人は、白人から
声をかけられると、ドギマギするのです。
何を言っているのか解らない。無理に笑顔を作ってごまかそうとする。大方の日本
人が同じようなしぐさをするので、日本人が不可解に見えてくるのです。
【吉村外喜雄のなんだかんだ 第20号】
~日本人のアイデンティティー~
「人種差別」
昨年12月、米国で痛ましい事件が起きた。職務質問していた黒人が暴れたため、数人の警官が警棒で、
黒人を滅多打ちになぶり殺してしまった。そんな映像が私達の茶の間に飛び込んできたのです。
黒人差別が無くなりつつあるとはいえ、白人の潜在意識の中に、黒人蔑視が根強く存在しているのでしょうか。
何かコトあるたびに、こんな痛ましい事件が報道されるのです。
そこでフッと気づいたのが、ノエビア・ワールドコンベンション全米大会に黒人が見当たらなかったことです。
肌が黒い黒人に対応した化粧品が無いと考えれば、そうかと思うのですが、もし、そうではないとしたら悲しいことです。
日本人が黒人を対等に認めていないのでは? という疑問が湧いてくるのです。
黒人男性が日本人の女性と結婚し、生まれた子ども達が日本国籍を取得した。
ところが周りは大人も子供も「ガイジン」「ハーフ」「黒こげ」などと、差別した扱いをする。
毎年一万五千人の世界の様々な国の人たちが日本国籍を取得するという。
けれども、肌色や髪の色が違っていたり、青い目だったりすると、アメリカ社会における人種差別の比ではありません。
外国人として遠巻きにし、同じ仲間には入れず、差別してしまうのです。
たとえ日本国籍を取り、日本人になっても、同じ日本人として、普通の日本人として、社会が受け入れようとはしないのです。
毎年夏に、石川県で留学生を対象に開かれるジャパンテント。ホームステーの受け入れ先で、東南アジアや、黒人が敬遠され、
アメリカやヨーロッパの白人を希望する家庭が、少なくないとのことです。
私が中学の頃、金沢の中心を流れる犀川の上流(大桑)と下流(大豆田)に、朝鮮部落があった。私のクラスにも、
朝鮮人と言われて、いじめられている女の子がいた。小学校のときからずっといじめられていたのでしょう。
誰にも相手にされず、「きたない」と言われて、おびえていたのを記憶しています。
その頃は「朝鮮、朝鮮とパカにするな!」とはやしし立て、朝鮮人を卑しみ、さげすむ風潮があったのです。
明治以降、西洋文明にあこがれ、西洋の文化・経済に一歩でも近づこうと、努力を積み重ねてきた日本。
いつから同じアジアの人達を見下し、西洋人と見ればへつらう、傲慢で卑しむべき民族になり下がったのだろうか?
タイ、韓国、中国などへ、大挙して買春ツアーに出かけていく日本の男性。近隣アジアの人たちから嫌われ、
蔑まれるような行為は、慎まなければなりません。
中国が経済大国となり、日本が清貧国になったとしよう。金持ち中国人が大挙して日本へやってきて、日本人を見下し、
札びらで頬を叩くような行為をしたとしたらどう思うでしょうか? 民族の誇りが「許せない!」と叫ぶでしょう。