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よろず宗教が共存する日本

■七福神

七福神とは、「大黒天」「恵比寿」「毘沙門天」「弁財天」「福禄寿」「寿老人」「布袋和尚」の七柱の福徳の神であることは、 皆様もよくご存知です。

ところがその由来となると、以外と知られていないのです。
この信仰は、室町時代の末期、日本に生まれ、農民、漁民の間の庶民信仰として、現代に受け継がれてきたものです。
当時の仏教に、中国の道教などが交じり合って出来た宗教なのです。

七福神は、夢まくらに宝船に乗って現れると、福が授かると言い伝えられ、初夢で見るために、まくらの下に入れることが流行ったそうです。



【吉村外喜雄のなんだかんだ 第15号】
~アイデンティティー~
「よろず宗教が共存する日本」

あらゆる宗教が、ごく普通に生活の中に溶け込んで、共存している国は少ない。
「どんな宗教でも自由に信仰できる日本って、世界に誇っていいことだ」と、”永 六輔”氏は語っています。

毎年繰り返される年末年始の宗教行事は、日本人の生活慣習の中に溶け込んでいる。信者でもないのに、 ツリーを飾ってクリスマスを祝い、年の暮れには、仏教の除夜の鐘で百八つの煩悩を取り去り、正月元旦には、神社に初詣。 七福神の飾り物を買い、家内安全、無病息災、商売繁盛をお祈りして拍手を打つ。今年は八千万人がお参りしたという。
ところで、お正月にお年玉を配る習慣、これは儒教です。幾つもの宗教が、ごく自然に日本人の生活の中に混在し、 共存している。こんな国は世界広しといえども見あたりません。

私の知人の画家は、ご夫婦共クリスチャンです。しかし、ご先祖から受け継いでいる浄土真宗は大切に守り、 家には仏壇もあるし、お盆に墓参りもする。
親が亡くなったとき、お葬式はキリスト教会と、仏教のお寺さんで、同じ日に続けて二回行っている。個人の信仰と、 ご先祖から受け継いできた家の宗教を、共存させているのです。
あまり例を見ないケースかもしれませんが、違和感をまったく感じさせないのです。
どの家にも、神様と仏様が同居している。そういった土壌文化を受け継ぐ日本人。

イラク、イスラエル、パレスチナ…、人類の歴史は宗教の違いから、どれだけ血を流してきたことか…。
人間社会がどんどん進化した現代においても尚、最も悩ましい問題なのです。
そうした中で日本は、すべての宗教が仲良く共存している平和な国、「和」を貴ぶ国なのです。
「日本は、宗教間の争いごとは皆無。共存しながら平和に暮らしていけるサンプルの国であることを、日本政府は国連の場で、 もっと強く訴えるべきである」と、
”永 六輔”氏は訴えています。

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