【吉村外喜雄のなんだかんだ 第12号】
~日本人のアイデンティティー~
「日本の武道」
江戸末期、薩摩藩の男達が国を動かしました。薩摩男児の心意気を象徴するものに、薩摩の武道があります。
相手と対峙したとき、「タァ~ッ!」と気合もろとも一撃で相手を倒してしまいます。次がありません。
一撃で倒せなければ自分がやられているのです。NHKで放映された、宮本武蔵と佐々木小次郎の一騎打ちも、
一撃で決着がついています。
以下、城野 宏「能力開発三国志」からの抜粋です。
西洋で代表される剣道はフェンシング。中国の武道の代表は少林寺剣法。何れもチャンチャカ、 チャッチャと、なかなか勝負がつかない。チャンチャカやっているうちに、どちらかが疲れてきて、 形が崩れて倒されるのである。 西洋や中国の武道は、日本とは違い「形」の武道である。「こうやって、 こう受けて、こうかわす」と形で覚える。そして戦うときは、その幾つもある形を使い分けて、 形通りに立ち向かっていき、形通りに攻撃をかわし、チャンチャカやるのである。 日本を代表する武道は、「柳生石舟斎・新陰流の居合い抜き」「北辰一刀流の抜刀術」「塚原朴伝」。 何れも相手を一撃で倒す武道である。日本の剣道は、「相手が面に来たら、それをかわして一撃で胴を打つ」 といった、一撃で倒すのが形である。日本人にしかない感覚なのです。 |
ジャッキーチェーンの名作「ドラック・モンキー酔拳」などは、まさに中国武道の「形」を観客に見せて楽しませている。
チャンチャカやっているうちに、どちらかが疲れてきて、形が崩れて倒されるのである。
一方、日本の時代劇に出てくる「殺陣シーン」でチャンチャカやっているのは、観客を楽しませ、 面白くするための演出と見ればいいのでしょう…。