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ワールドコンベンション-2

【吉村外喜雄のなんだかんだ 第11号】
~日本人のアイデンティティー~
「ワールドコンベンション(2)」

米国で毎年ノエビア・ワールドコンベンションが開かれます。世界各国で活躍している優績代理店が表彰されます。 売上ランク別に名前が呼ばれ、壇上で表彰されます。
名前を呼ばれて、妻は夫の腕を取り、夫婦添って壇上に向かう。幾段かの段を上がるとき、夫が先に上がって妻に手を差し伸べ、 表彰が終わって段を降りるとき、夫が先に降りて、また手を取ります。そういったなにげないしぐさの中に、 男女の接し方における、日本と欧米諸国の文化の違いを感じるのです。

社長から祝福の言葉があり、トロフィーと記念品が授与されます。そして、仲良
く記念写真に納まるのです。
ここから日本では絶対見られない光景になります。壇上で表彰される妻と一緒に並んでいた夫は、妻の栄誉を讃え、 人目もはばからず抱擁し、抱きしめるのです。
見ている私たちも、その微笑ましい夫婦愛に、ひときわ大きな拍手を送り、何ともいえない幸福感を共有するのです。

日本から参加した優績販社も同時に、何人か表彰されました。五十代の、ご夫婦で販社を経営している方の名前が呼ばれました。  名前を呼ばれるや、ご主人は一人先にツカツカと壇上に向かい、後ろを振り向いて、奥さんに「何してる、早よ来んか」 といった視線を送って、壇上に上がってしまいました。
型どおり表彰が終わると、その社長さんは、奥さんにはお構いなくツカツカと段を降り、自分の席へ戻ってしまいました。 その一瞬、日本人であることに、なんだかすごく恥ずかしい思いをしたことを、今も忘れません。

先に表彰され、抱擁するアメリカのご夫婦の姿を目にして、本能的な恥ずかしさに襲われ、 思わずそんな行動を取ってしまったのでしょうか?
尚、日頃は大変な愛妻家であることを、本人の名誉のために弁解しておきます。

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