【心と体の健康情報 - 122】
~男の言い分、女の言い分~
「粗大ゴミ」
定年になった男が、妻から粗大ゴミ扱いをされたあげく、別れ話を持ち出されてアワを食うケースは、
近年増加の傾向にあり、社会現象といえます。
二十年も三十年も奥さんをほったらかしにしておいて、定年になったから「はいそれでは」と、
今日から夫婦の会話が始まるものでもありません。
私が大手住宅会社に勤めていたとき、妻の浮気が団地内で噂になり、そこから逃れるため、
それまで住んでいた住居を手放すのに、 付き合わされた事例が二度ほどありました。
妻が離婚の原因にする最も多いのが、「真面目一方の上、口やかましく、お金にうるさくて、何一つ贅沢させてもらえず、
外ではからっきし駄目なくせに、家ではやたらに威張り散らす亭主」。
縦のものを横にもしない、面白くも可笑しくもない亭主に、三十年近く我慢に我慢を重ねてきた妻の立場に立ってみれば、
残された人生、誰にきがねなく、自由きままに暮らしたいと思うのは、仕方のないことでしょうか…。
身近にいる妻が、「子供が大きくなったら別れよう」、「子供が結婚するまでの我慢」と、一人密かに思いつめていることなど、
知るよしもないのです。
妻から持ち出される別れ話は、長年積み重ねてきた夫への怨念であり、復讐なのです。
ほったらかされた妻が、挙句に浮気をして、子供も夫も捨てて家を飛び出していった後に、残され、
捨てられた亭主と子供は悲劇です。通い始めたダンス教室で、初めてよその男の胸に抱かれたトキメキが、
忘れかけていた女の青春を、よみがえらせたのでしょうか…。
一方、人生のすべてを会社に捧げ、はからずも家庭を犠牲にして働いてきた夫が、定年になって気がついたら、「趣味なし、
友人なし、近所づきあいなし」で、毎日家でごろごろされたのでは、たまったものではありません。
夫を会社へ送り出した後、ご近所の奥さんと時間のたつのを忘れて話し込んだり、デパートへ行ったり、
お食事をしたりしていた妻が、今では、どこかへ出かけようとすると、「おまえ、今からどこへ行く、何時に帰る?」と、
口うるさく付きまとわれ、これからずっと、三度三度食べさせなければならないのかと思うと、
ほとほとうっとうしくなるのです。