【健康情報-111】
~男と女の心理学~
「女のヒモになれる条件」
私は金沢の中心繁華街、香林坊に生まれた。私の自宅は大通りに面した、旧第一勧業銀行の隣り。 その4階建てビルの裏の通路2メートルを挟んだ後ろのビルは、昭和三十八年に出来た、 金沢で最も早い賃貸マンション。スナックのママさんが何人も入居していた。
私がセキスイに勤めていた頃、後ろのマンションから、
ものすごい痴話喧嘩がビルの谷間にこだますようになった。いやがうえにも耳をそば立てる。
どうやら「ヒモ」
になっているヤクザが、女が稼いだお金を無理やり巻きあげようとして、
痴話喧嘩をしているようです。
男のどなり声と女の悲鳴、男にすがる女をパシパシと叩いて振り払おうとする。
そういう情景がビルの谷間にこだまし、聴いている私までが興奮して、心臓が飛び出しそうになる。
それが毎週、決まったように繰り返されるのです。
同じ頃、もう一つの「ヒモ」
騒動に巻き込まれた。
前者とは全く正反対の男の屑としか言いようが無く、 生活力のない男です。その男の奥さんに相談され、
親戚の人と対応策を話し合ったことがあります。
私の施主で、魚屋を営んでいるのですが、ご主人は女の家に入り浸って帰って来ません。しかし、
奥さんはいろいろ事情があって、離婚できないでいるのです。
傍目には男の屑にしか見えなくても、一緒にいる女性からすれば、「この人の良さは、 傍目にはわからない」「私が見てやらなかったら、この人はどうなるの…」と言うのです。この男も、 本妻と外に作った女の、両方のかせぎを当てにして生活している「ヒモ」なのです。
一方はやたら男くさく、どうしようもない暴力男。一方はひ弱でやたら女に優しい。
両方とも人間のクズ。周りは「早く切れろ」と忠告する。しかし、女たちは、それを
受け入れると、今まで自分がやってきたことが「無意味」になってしまう。
こんな常識外の男に、身も心も貢ぐのは、辛く悲しいことです。だからこそ、
自らの行為を正当化しようとするのでしょうか…
「あんなグータラなダメ男のどこがいいんだ! すぐ別れろ」と、周りが忠告しても、
実際はダメ男だからこそ、女はこんな男に惚れるのです。男の世話をあれこれ焼いているうちに、
いつしか男に好意を抱くようになり、「この男を救えるのは自分しかいない」。それが、
人間の屑としか言いようのない男を受け入れてしまう、女性の心理なのでしょうか。
こんなダメ男でも、
母性本能をたくみにくすぐって、寄生して生きていく処世術には兜を脱がざるを得ません。
女性の心をつかんで離さず、「ヒモ」に徹する男たちのすごさ、ズルさを垣間見るにつけ、私のような、
常識の範中でしか生きられない平凡な人間には、マネのできないことなのです。