【心と体の健康情報-105】
~男の言い分、女の言い分~
「個性的?いまどきのファッション」
アメリカの高校生が、日本の高校に交換留学して、最初に驚きそして異様に感ずるのは、教室に入ったときです。髪が全員黒いことと、
みんな同じ服装をしていることです。同じ顔をした生徒が並んでいるように見えるのです。
個性が感じられないのです。
私の娘が高校に通っていたころは、とにかく校則が厳しかった。抜き打ちに先生が校門に立っていて服装チェック、
登校時間が過ぎると校門を閉じてしまう。
それで、どこかの学校で生徒が挟まれて死亡して、大きな社会問題になった頃です。
以下は、エッセイスト熊野裕子さんのエッセイです。
『靴下は無地の白のみ、スカート丈は膝から5センチ以上長いこと、ブラウスは丸襟の白のみ、第一ボタンを外すのは厳禁。
髪型は肩にかかる程度、のびたら結わえる、カバンは学校指定の黒の学生鞄のみ…など、きりがない。
こういった厳密な規則に管理されるのは、どこの高校も同じだった。
あれから十数年。近頃の高校といえば、生徒の多くが髪を茶色に染めあげ、スカートは全員膝上のミニ。
靴下は白のルーズソックス。胸元は第一ボタンはおろか二番目まで外され、若々しい肌がさらされている。
あの厳格な規則はいったいどこへいったのだろうか? 時代の変化には驚かざるをえない。
ところが、ちょっと変なのです。生徒の服装、髪型、ファッションが自由化されたのなら、
一人ひとりが思い思いのファッションスタイルで、個性を楽しんで当たり前。ところが、申し合わせたようにルーズソックスに、
茶髪に、ミニスカート。
みんな同じような服装で、同じように行動している。
せっかく自由におしゃれができるようになったのに!絶対ヘンです。
これが日本人の深層心理にあるおしゃれ感覚なのでしょうか。
最近、町でもおしゃれで可愛くて、スタイルのいい女子学生が増えてきた。でも、彼女らをつぶさに観察すると、
何もかもが似たり寄ったりで印象に残らない』
ネイルマニキュアが流行ればみんな右ならえ、ある女優さんのメイクがマスコミで取り上げられると、
みんなそれに忠実に従うので、似た雰囲気の若い女性が増えることになる。
多くの女子学生が個性的でありたいと思っていても、心のどこかに、みんなと一緒であることに安心してしまうものがある。
周りからヘンな人と見られたくないのです。
おしゃれをして、化粧で美しく見せようとするのは、周りの人に好意的に見られたい、
愛されたという強い願望があるからなのです。
これは何も若い女性だけのことではなく、若い男性にも言えることであり、すべての人に当てはまることなのです。