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人もフェロモンを出す-2

【吉村外喜雄のなんだかんだ】
「人もフェロモンを出す 2」

生まれて間もないアザラシの子供が、親からはぐれてしまうと、死が待っている。はぐれた子供が乳をもらおうと、 必死によそのメスアザラシに近づいても、縄張りを侵したと、跳ね除けられてしまいます。母親に再会できなければ、 誰にも相手にしてもらえず、飢え死にするしかないのです。NHKの番組で放映していた。メスアザラシは、 自分の生んだ子供の匂いと、よその子供の匂いを嗅ぎ分け、よその子は相手にしないのです。

人の赤ちゃんは、母親の胎内にいるとき、母親の匂いと心音、血液が流れる音を知っているという。 生まれて間もない赤ちゃんが、教えられなくても母親の乳をまさぐり、飲もうとするのは、乳が母親の匂いだからです。
母親の匂いは、人間が最初に嗅ぐ匂いであり、成人して母親を想いおこすとき、この匂いが記憶と結びつくのです。

哺乳動物は、オスがメスの匂いを嗅ぎつけて寄っていくのが一般的です。人間も同様で、 思春期になると男も女もフェロモンを発散するようになる。男は女の匂いに魅せられて近づき、 女は男の体臭を嗅ぎ分けて選択する。
フェロモンの発散が弱い男や女は、性的魅力が伝わってこないため、異性を魅きつけることができないのです。

男女に限らず香水を好んで使う人は、異性への関心が高く、性的願望も強いといえます。欧米の女性は、 社交場に出る前に、ジャコウジカやマッコウクジラなどの動物系の香水を使い、異性を魅きつける材料にしようとます。
ジャコウは、オスのジャコウアゲハが一万分の一グラムを分泌しただけで、 10キロメートル先のメスが気づくと言われています。
こういった香水は、人間が発する性フェロモンの代役を果たしているのです。

少し前ですが、ノエビアにも女性を引きつける男性用コロンと、男性を刺激する香水が商品として売られていました。 発売直後、全国二千名が集うノエビアのコンベンションで、ドレスアップした多数の代理店所長が、この香水を付けてきたため、 その刺激臭に当惑したことを思い出します。

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