【心と体の健康情報-88】
~男の言い分、女の言い分~
「がまん強いのはどっち?」
物事を始めたりするときの大変さを、「生みの苦しみ」
と言ったりします。そう言っている男性(私)には、その本当の痛さがわかっていない。
米国の研究で、出産の苦痛は、
「皮下組織に達した第三度の火傷を、下半身全体に負ったのと同じくらいの痛み」だそうで、
かなりの激痛である。
女性は毎月月経痛と闘っている。十人に八人が痛みを感じているという。
そして出産の痛み。そこから「女はがまん強い」
という説が生まれてくる。
本当に、男性より女性の方ががまん強いのだろうか?
モルヒネなどの鎮痛効果のある麻薬は、男性は女性より量を多くしないと効かないし、抜歯の際の麻酔は、
女性は男性の五分の一で済むそうです。
女性の方が量が少なくて済むのは、女性の方が鎮痛剤の効きが良いということも理由にあげられます。
女性は痛みに対してがまん強いというより、生理的に痛みを鎮めてしまい、痛みに強い体質といえます。
痛みに対する男と女の対応は、
男性は痛みを我慢してしまうのに対し、女性は「薬を飲む」「患部を冷やしたり、
暖めたりする」「横になって体を休める」と、あれこれ手をつくして痛みを和らげようとします。
男性は、少し良くなると女性より数日早く退院してしまい、無理に働いてしまうようです。
結果、男性の方が完治に時間がかかってしまうのです。総体的にがまん強いのは男の方かもしれません。長い不況下、
男性は更にがまん強くなっていくようです。
女性は、月経の痛みなどと長くつきあっているうちに、体に負担をかけないよう、賢く対処する方法を会得してきた。そして、
生命を胎内ではぐくむ大役を担っているのです。こと痛みに関しては、男性は女性に学ばなければならないようです。
読売新聞より抜粋