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教育勅語(2)

■昭和天皇

私たち国民が啓して已まない昭和天皇。天皇が崩ぜられて、早や20年になります。
昭和天皇が、生涯国民から敬愛の念で尊ばれたのは、その謙虚なお姿、高貴さにあります。一言で言えば「至高の徳性」にあったといえます。

昭和天皇は明治39年、大正天皇のご長男として誕生されました。生まれて僅か3ヶ月の頃、親元を離され、 一民間人の"川村伯爵"の許に預けられ、約2年間、将来の帝王となるべき、しつけ教育を受けられたのです。
川村伯爵は、薩摩出身の軍人さんで、しつけは厳しかったという。
その教育方針は…
一.健康な御体に育て、持てる天性を伸ばし、曲げぬこと
二.ものに恐れず、人を尊ぶ性格を養うこと
三.困難に耐え、我がままを言わぬ習慣を身につけること

その後、学習院の初等科に入られましたが、当時の学長は乃木希典でした。
乃木大将は、道徳を身にまとった見本のような人。その許で、厳しく鍛えられたことが、後の昭和天皇のお人柄を育まれたのです。



【心と体の健康情報 - 585】
~歴史から学ぶ~ 「教育勅語(2)」

「教育勅語」は、大きく分けて第一段の前文、第二段の本文、第三段の後文から成り立っています。前回は前文を紹介しました。 今日は第ニ段、本文です。
「日本人が道徳を身につける上で、何が大事か」…明確に述べられています。

ナンジ臣民、父母ニ孝ニ、兄弟ニ友ニ、夫婦相和シ、朋友相信ジ、
 恭倹(キョウケン)己レヲ持シ、博愛衆ニ及ボシ、学ヲ修メ業ヲ習イ、
 以テ智能ヲ啓発シ、徳器ヲ成就シ、進ンデ公益ヲ広メ、世務ヲ開キ、
 常ニ国憲ヲ重ンジ、国法ニ従イ、一旦緩急アレバ、義勇公ニ奉ジ、
 以テ天譲無窮ノ皇運ヲ扶翼スベシ

「まず国民は、家庭の一員として、両親に孝行を尽くす、兄弟仲良くする、夫婦も仲睦まじくする。そして、 近所や学校などの友達とも、信じ合えるようになる必要があります。
ついで、社会の一員として、謙虚に自己の本分をわきまえ、思いやりの心を多くの人々に及ぼし、また学業を身につけ、知恵を磨いて、 広く世のため役立つようになる必要があります。
更に国家の一員として、ふだん平常の時には、憲法や法律を守って生活し、いざ非常の時には、正義のために勇気を振るって、 全力を尽くす必要があります」

カクノ如キハ、独リ朕ガ忠良ナル臣民タルノミナラズ、 又以ッテナンジ
 祖先ノ遺風ヲ顕彰スルニ足ラン

「このような道徳を身につけて、日本の進運を担っていく、立派な日本国民になることは、あなた方の祖先が永らく続けてこられた、 立派な在り方を評価し、受け継いでいくことになるのです。決して難しいことではなくて、あなた方の祖先が、 そうやってこられた実績のあることだから、それを実践すればいいのです。
我々は新たに西洋の道徳を借り、真似をしていくのではなくて、祖先が昔からやってきた当たり前のことを、 我々も受け継いでいくことが大事なのです」

(論語の友より)

ここまでが本文です。
このように読み辛く、大人でも難しいい文章を、少し前の世代の子ども達は、学校で素読し、暗唱したのです。 ゆとり教育が問題になっている昨今、難解であることを理由に、覚えなければならない当用漢字を減らす動きなどは、 ナンセンスに思えるのです。

建設業のK社長さんと、JRで京都からの帰路…お互い、孫の話になった。
聞くとお孫さんは、仏教系の幼稚園に通って、浄土真宗の聖典「正真偈(しょうしんげ)」や、「念仏・和讃」を暗唱させられ、 小学生になった今も、おつとめがあると、お経を唱えることが出来るという…。

私の外孫は3歳。保育所で「♪ABCD…EFG…HIJKLMN…」と、英語の歌を覚えてきて、嬉しそうに歌って見せる。 意味が分からなくても、上手に歌うのです。
幼い頃に暗唱させられる「教育勅語」。文章は理解できなくても、刷り込まれた言葉は、大人になって生きてきて、潜在意識の中で、 自らの考え方・行動を律するようになるのです。

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