■ことば遊び「変換ミス…その2」
パソコンや携帯メールの変漢ミス、本人は意外と気づかないものです。
2005年度・日本漢字能力検定協会が発表した「変換ミス年間賞」です。
「今年から 海外に住み始めました」と、メールしたつもりが…。
『今年から 貝が胃に棲み始めました』と、間違って送られた。
メールを貰った人、さぞや驚いたことでしょう。
・最近エントリーされた作品
「八日以後」が、『要介護』 「耳下腺炎」が、『時価千円』
「リスト表を送ります」が、『リスとヒョウを送ります』
「運転席側に置きっぱなし…」が、『運転席がワニ置きっぱなし…』
・私の作品
役人が職場で「職権乱用」が、『食券乱用』
【吉村外喜雄のなんだかんだ - 142】
~ことば遊び~
「落語・疝気(せんき)の虫」
落語の下ネタ、艶笑落語の面白さは、三遊亭歌奴(現在の円歌)が教えてくれた。
「山のあなあな…」で一躍有名になった、あの落語家です。
当時、歌奴はまだ真打。歌奴を含む芸人一座が、県内各地をどさ回りして歩いていた。私は、社命でその一座に加わり、一月余り、幔幕張りやゴザ敷きなどの、下働きをさせられた。
一日の出し物を終え、座員がくつろいでいる頃、歌奴はみんなを労おうと、艶笑小話を披露した。「お風呂の中でオナラをしたら、男のオナラ、元気よく飛び出してきたのはいいが、前にある邪魔なもの?に引っかかって……、女は…」、
みんな、お腹を抱えて笑いこけた。
寄席では、艶笑落語のたぐいのシモネタはやらない。年頃の娘さんがポッと頬を染める程度の噺に止める。ところが最近では、娘さんがケラケラ笑い、五十・六十のいい年をしたおじさんが頬をそめる…というのが一般的なようで…
♪江戸時代、冷えからくる腰や腹の痛みを、"疝気"と呼んだが、病気といえる病気ではないので、医者も手を焼き、効きもしない薬を与えたり、冷やさぬよう
にと、注意するくらいであった。
昔から、蕎麦(そば)は、体を冷やす食べ物で、「蕎麦は疝気に大毒」と言われ
ている。
見たこともない虫が現れたので、医者は首を傾けていたが、刺されたりしては
かなわないから、潰してしまおうとした。
すると、虫が命乞いをした…「なに、助けてくれ? お前はなんの虫だ?」
『へへへ、疝気の虫なんでこざんすよ…』
疝気の患者を治そうとしても、うまくいかず悩んでいた医者、いい機会だと、
「お前はどうして人の体に入って、人を苦しめるんだい?」
虫が言うには、人を苦しめる気はないが、蕎麦が好物なので、
人が食べたのを頂く。すると、威勢がよくなって運動せずにはいられなくなり、
筋を引っ張ったりするので、人が苦しむのだと言う。
いいことを聞いたと思った医者。さり気なく、嫌いな物を尋ねると、
"唐辛子"だという。『体ィついたら、そこが腐っちゃうんです』
「唐辛子と蕎麦が同時に入ってきたらどうするのだ? 」
と、さらに突っ込むと、恐いから、みんな別荘に逃げ込んでしまうらしい。
別荘とは"睾丸(ふぐり)の袋"だが、そこに非難するのである。
安全だと判断したら出てきて蕎麦を食べ、運動のため筋を引っ張るとのこと。
「人の体は、お前にとっては大家さんみたいなもんじゃないか…。
なぜ苦しめるのだ…」
意見していて、気がついたら夢であった。
そこへ往診の依頼があって、疝気で苦しんでいる患者がいるという。
患者の妻に問うと、お昼に蕎麦を少し食したとのこと。
「蕎麦!蕎麦はいけませんよ!」
治療の方法を教えるからと、奥さんに「盛りそばを注文するように」言うと、
けげんな顔になった。「それから、唐辛子水を丼に一杯こしらえて…」
蕎麦が届いた。食べるのは奥さんで、亭主は匂いをかぐだけ…。
別荘に潜んでいた疝気の虫が、匂いに気づき、次第に上がってきた。
口まで上ってみると、蕎麦は前の口に入っているので、
疝気の虫は、奥さんの口に飛び込んだ。たちまち暴れ出したので、
奥さんに唐辛子水を飲ませると、疝気の虫はパニックになって、
『大変だ、別荘へ…別荘、アレッ!別荘がない!』
ここで高座の古今亭志ん生、きょろきょろ見回し、困惑顔で立ち上がると、 しきりに首をひねりながら退場…。会場大爆笑