動物園の猿山の猿を見ていると、飽きることがない。猿山には一匹のボス猿が
いて、ピラミット状の組織を束ね、にらみを利かせている。猿たちは、仲良く蚤を
取り合ったり、じゃれ合ったり、スキンシップに余念がない。
子猿は遊びを通して、猿社会での秩序を身に付けていく。若いメス猿は、お母さ
ん猿を見て子育てを学習する。ところがまれに、子どもを生んで、我が子を放置
してしまう母猿がいる。
仕方なく飼育係は、生まれたばかりの子猿に哺乳瓶をあてがい、24時間付きっ
きりで、お母さん猿の代役をする。一人歩き出きるようになったら、一日でも早く
野性の群れに戻さなければならない。猿社会に入れてもらえなくなるからです。
群れに解き放たれた子猿。喜び勇んで一目散に群れの中に飛び込み、餌に飛び
つく。ボス猿が飛んできて歯をむき、小猿を群れの外へ追っ払う。子猿は、何とか
群れに入れてもらおうと、群れの周りをうろつくき、近づこうとするが、群れに威嚇
される。仕方なくすごすごと、飼育係のところへ戻ってくる。
群れの序列やルールを、子猿たちの遊びの中で学ばなかったからです。
有名な幼稚園から進学した小学生。土曜と日曜、午後1時から8時 まで、二日間に14時間も"塾"に行っている。 知人が母親に「大変ですね」と声をかけると、「子どもが勉強しない で、何をすることがありますか?」との返事…。 |
このようなやりとりを聞いて、誰も不自然には思わない。このような勉強一本
やりの環境に閉じ込められている子どもが、多いのでないでしょうか?
そうした子ども達、自分が勉強していることの意味を正しく理解して、塾へ通
っているだろうか…?
この母親は、子どもの成長に"遊びが大切"だとは思っていない。 |
私の子どもの頃は、大きい子、小さい子みんな一緒に、一日中路地で遊んだ。
意見や感情がぶつかり合い、よく喧嘩をした。感情を抑えきれず、相手と殴り合っ
たりしたが、「手かげん」することを知っていた。今の若者のように、感情を
抑えきれずに、相手を殴り殺してしまう、などとということにはならなかった。
子どもの間のもめ事…。親に言いつけることもなかったし、親が子どもの喧嘩に、
しゃしゃり出ることもなかった。
そうやって、遊びという集団の中で体験したことが、人との交わり方、距離の
置き方、上下関係など…、遊びを通して、社会性を身に付けていったのです。
近頃は、こうした経験を踏まないまま、親に従順であることがよい子と躾けら
れ、反抗期を経験しないまま、社会人に巣立っていく。
社会に出て初めて、自分とは異なる様々な考え方の人に従わなければならな
いことに戸惑う。そんな時、子どもの頃の体験がものをいう。社会性を身につ
けていないと、人間関係がわずらわしく、問題が解決出来ず、ストレスを抱え
込んでしまう…。
親に尋ねれば、「いい歳をして、そんなことも分からないの…」と一喝されそう。
社会人になって、理由もなく会社を辞め、部屋に閉じこもってしまうのは、
そうした理由からでしょうか…?
「人より勉強が出来ると良い子」といった価値観で育った、彼らの 思春期の子どもの凶悪事件が、連日のようにマスコミに報道される。 幼児期から少年期にかけて、子ども達が身に着けなければならない |
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