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「知られていない 本当の中国(3)」

上海に旅行した時必ず訪れる「東方明珠塔」。新租界のシンボル、高さ468
メートルのタワーです。アジアでは最も高く、世界で3番目だと、上海の人は
誇らしげに言う。何でも一番でなければ気が済まない中国人。
採算性は二の次。根底に中華思想があり、他所には負けたくないという強い
意識が働く。
日本人も"世界一"がお好きなようです。東京の浅草に「新東京タワー」が
建設されることになった。高さは世界一の610メートル。完成は2011年。
地上デジタル放送開始に合わせ、新しいテレビ塔が必要なのです。

ところで、世界一高いビルは台湾の「台北101」。508メートルある。
ご存知、エンパイアステートビルは381メートル。最上階に昇った時、
眼下のニューヨークの夜景が、時折雲にさえぎられて見え隠れ…。
さすがエンパイアと、感嘆したものです…。

【吉村外喜雄のなんだかんだ  - 134】
「知られていない 本当の中国(3)」

7月23日読売新聞一面、「中国、相次ぐ巨額修正、疑わしい経済統計」と題し、
「いまや世界中の人々は、中国の街路が黄金か純金で覆われていると思って
いるようである。だが、実は中国が発する"統計情報"に対して、冷笑とまでは
言えなくとも、少なくとも疑いの目は益々強まっている…」の書き出しで、特集
が組まれていた。
以下、PHP研究所 拓殖久慶著「中国の本当の危なさを知らない日本人」より

中国政府の発表を見る限り、中国経済が順調に成長発展しているのは確かな
ようです。ところがそれが正確な数字ではなく、諸外国に、中国への投資を継
続させるための"餌"だとしたら、それは国家による詐欺行為にほかならない。
戦時中の日本の、大本営発表のようなものです。

日本の政財界の中国礼賛姿勢…、ここへ来て変わりつつある。自国の利益の
ためなら、経済数字をごまかし、改ざんするくらい何とも思わない。そんな中国
を、信頼できなくなってきたのです。
人口そのものが正確性を欠き、約1億人の隠れ人口がいると、言われている。
過小に発表される軍事費。発表される何れの数字も、中国政府の手で都合よく
改ざんされていく。真ともに受け取って、信頼する方がおかしいのです。

現在の中国は、大量の国債発行でもって、経済危機を乗り切ろうとしている。
外国からの投資や借款が停止すると、漕ぐのを止めた自転車のように、
ひっくりかえってしまう。資金面で、自転車操業の状態なのです。
そのため、前年比の伸び率を大きく見せかけ、中国が魅力ある投資の場だと
いう幻想を、国際社会に抱かせておく必要があるのです。

経営が破たんしても、借りた金を返す気などさらさらないのが、中国の企業。
「蛙の面に小便」で、責任意識のカケラもない。
それが、資本主義社会、日米やヨーロッパの企業だったら、不当たりを出して
倒産するか、会社更生法が適用され、経営者の責任は免れない。彼ら中国人
には、負債を返済しようとする意識が乏しいのです。

社会主義の計画経済は、「ノルマが達成できたかどうかをチェックし、評価す
る」。"目標未達成"を上層部から叱責されるよりは、多少問題があっても、
掲げた目標を到達させておくことの方が大事、という考え方に育まれてきた。

上海の大開発ラッシュ。机上の建設計画に従い、次から次へとビルを建築。
結果、どこを探しても買い手も借りてもいないという状態に陥った。
この開発プロジェクト、将来こうなってほしいという願望が優先して進められ
たものだから、具体的経営計画などあるわけがない。

だから、高層ビルディングのオフィスは、入居率30%という惨状…。
これでは、建設費が回収できない。赤字だけが膨れ上がり、不良債権となって
いく。
上海には、ばかでかい国際空港がある。空港から上海市までの間30キロを、
リニアモーターカーが走る。最速430キロと飛行機並み。約7分で到着する。
将来を考えて造られた空港だろうが、閑散としていて、空港の乗降客数もまば
ら。上海在住の日本人に聞くと、上層部が開発計画を立てる時、必ず東洋一、
世界一のものにしたがるという。

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