【吉村外喜雄のなんだかんだ - 117】
「地球がうめいている(2)」
2/28中日新聞。沖縄・石垣島にある日本最大規模のサンゴ礁が、海水温の
上昇と、オニヒトデの大量発生で、危機にさらされていると大きく報じていた。
紀伊半島の南端、和歌山県串本沖。「この一帯はもう半分以上やられた」と、
串本水族館の館長は嘆く。大量発生したオニヒトデが、サンゴを食べてしまっ
たのです。
すぐ沖合いを黒潮が流れる。この海域の水温は、真冬でも18度はある。
北緯33度は、サンゴにとっては高緯度。その串本の海に、テーブルサンゴや、
枝状のサンゴが、120種も群生するようになった。
今では、日本を代表するスキューバースポットに…。ダイバーが集まってくる。
この紀伊の海に"オニヒトデ"が大量発生したのは、一昨年から…。
地元では、サンゴを守ろうと、この一年間で3万匹あまりを駆除した。
この1月も、わずか1時間で、30センチ前後のオニヒトデを、500匹捕獲した
という。
海水温の上昇、オニヒトデを食べるホラ貝の乱獲、河川汚染による海水の富栄
養化などが原因で、世界の海で大量発生するオニヒトデ。
日本では、70年代に開発が活発になった沖縄全域で大量発生。一時沈静化し
たが、再び被害が広がっている。
紀伊沖の海水温は、冬になると15度以下に下がり、オニヒトデは死滅して、
増えることはなかった。ところが、十年くらい前から、南方系のサンゴが見ら
れるようになり、オニヒトデも13度の水温にも耐える耐寒性を身につけ、
繁殖するようになった。
気象庁によると、20世紀百年で0.8度、平均気温が上がったという。
そのせいだろう、桜の開花は5日早まり、紅葉は一ケ月遅くなった。
一昨年から毎月京都を訪れ、四季折々季節の移り変わりを楽しんでいるが、
秋、紅葉の季節が12月上旬にずれ込んだだけでなく、赤く美しく色づく前に
枯れてしまい、美しいはずの庭園が、茶っぽく汚い景色になってしまった。
この後100年で、日本の平均気温が更に2~3度上昇するという…。温暖化
の影響は、そのまま自然界と、そこに生息する動植物に現れてくる。九州・四
国が北限だったナガサキ・アゲハは、最近、関東でも見られるようになった。
3/8 中日新聞
56豪雪の頃の北陸は、毎年大雪に悩まされた。今年は新潟・中越が、測候所
間設以来の記録的豪雪に悩まされている。豪雪地帯が北上していった。
このまま温暖化が進めば、一千万種を超える陸生動植物が絶滅すると、
英国の研究者が警告する。
折に触れ、海や山に出かける私。地球環境の悪化を、肌で感じるようになった。
2月のNHKスペシャルで警告していたように、このままでは人類が住めない
地球になってしまう…。
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