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落語・酒の粕

■言葉遊び 「早口ことば」の続きです。
子ども達と上手に言えるようになるまで、大きな声で、何度も繰り返す…。
結構楽しいものです。

「新進シャンソン歌手総出演新春シャンソンショー」 
「高架橋橋脚」(コウカハシ・キョウキャク)
「肉挽く肉挽き機に肉詰まり ひっかかった肉引き抜くのに 
                 引き抜きにくい 肉挽き機で肉を引く」
「この釘はひきぬきにくい釘だ」 「買った肩たたき機高かった」
「長州しょっちゅう焼酎」  「コックのコップ」×3回  「僕のボブ」×5回

「服作る夫婦 靴作る夫婦 古服売る夫婦 古靴売る夫婦」
「規格価格か駆引き価格か」 「絵扇絵団扇」(エオウギ・エウチワ)


【吉村外喜雄のなんだかんだ  - 112】
~ことば遊び~
「落語・酒の粕」

新年会など、お酒が美味しい季節。お酒の席での取り返しのつかない失敗… 
誰にも一つや二つ、苦い思い出があります。「後悔先に立たず」である。
落語や小噺には、そんなお酒のしくじりを題材にしたものが多い。

そこで都々逸から一首。
♪「論語孟子を読んではみたが 酒を呑むなと書いてない」

■落語 「酒の粕」
♪ 「お酒呑む人 花ならつぼみ 今日もさけさけ 明日もさけ」なんてェます。
お酒呑みにも、いろいろ上戸がございます。
"笑い上戸"なんかは、一座が陽気になります。
ほかに、"怒り上戸"に"泣き上戸"なんて、いろいろですな…。

おでん屋などで多いのが"鶏上戸"、「おっとととととととと、っくぴ、けっこう」。
罪のないのが、からっきしお酒の弱い、私(吉村)のような下戸。
酔っ払うと、たわいなく寝ちまうんで"寝上戸"。面白くもなんともありません。

熊「おい、与太郎、なに赤い顔して、ふらふら歩いてやんでェ」
与太郎『ああ、あにぃかい、あたいね、今、大家さんとこの大掃除手伝ったら、
こ~んなに大きな"酒の粕"二つも、もらって、
  それ、焼いて食べたら、すっかりいい心持ちになっちゃって…』

熊「おい、よせやい、いい若いもんが、酒の粕食らったなんて、みっともねェ
や。そういう時はな、嘘でもいいから、酒呑んだって言ったほうが、
   威勢がいいじゃねぇかィ」
与太郎『ああ、そうか、じゃ、今度からそう言うよ…』
     『あ、向こうから、八のあにィが来たよ、八あにぃ!』
八「なんでェ」  
与太郎『あのさ、あたいの顔、おかしいでしょう』
八「うめェ事言うなぁ、俺は前から思ってたんだよ、この町内で、
   おめェくらいおかしな顔したやつはいねえってな!」
与太郎『そうじゃないよ、あのさ、あたいの顔、赤いでしょう…』
八「そういえば赤いな」
   「なんだ、怒ってるエビのしっぽでも食って、腹でも下 したか…」
与太郎『そうじゃあないよ、あたいね、お酒呑んじゃったの!』
八「なんだって、昼間っから豪勢な野郎だな、どのくらい呑んだんだ?」
与太郎『あのね、このくらいの塊、二つ』
八「この野郎、酒の粕、食らったな!」  
与太郎『あれェ、見てたァ…』
八「見てたァ、じゃねェや、どのくらい呑んだって聞かれて、このくらいの塊
  二つってェば、酒の粕食らったってのが、すぐわかっちまうじゃあねェか。
  そういう時はな、嘘でもいいから、このくらいの茶碗でもって、
  二杯キューっと呑んだってみろ! その方が、威勢がいいじゃあねェか…」

与太郎『ああ、そうか、じゃ、今度からそう言うよ…』
     『じゃ今度、誰の所へ行こうかな』
      『あッそうだ、おばさんのところへ行ってみよう。おばさ~ん…』
おば「あら、与太さん、どうかしたのかい」
与太郎『あたいね、お酒呑んじゃったの!』
おば「まあ、ついこの間まで、子供だ、子供だと思っていたら、
    お酒なんか呑むようになったんだねェ…、どのくらい呑んだんだい」
与太郎『このくらいの茶碗で、二杯、キューッと!』
おば「まあ~、ずいぶん呑むんだねェ、
   だけど与太さん、呑むな、じゃないけど、冷やは毒だよ!」

与太郎『ううん…、焼いて食べたよ』

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