先週、サンフランシスコへ旅行した。日本との時間差は16時間。
まだサマータイム中で、7時10分にようやく日の出。
4月から11月は乾季で、毎日晴天続き。雨が降らない。雨季は1~2月で、
3月には、茶色く枯れた近隣のハゲ山が一面"緑"のじゅうたんに変わる。
バスで移動中、道路沿いの家々の柱に長さ50センチ、巾5センチほどの黄色
い布が2~3枚ひらひらしている。「何?」って尋ねたら、イラクへ出征した兵士
が無事帰還することを願っての、お呪いだという。
■ゴールデンゲートブリッジ
・全長3Km、朱色に塗られた吊橋は、70年前の1937年に完成したもの。今でこそ明石大橋にその座を譲ったが、
ずっと世界一の長さを誇っていた。
霧の中に浮かび上がるブリッジは、サンフランシスコ名物。
・今、新たなブリッジを隣に平行して建設中。完成後、現在のブリッジは取り壊されるという。
■ヨセミテ国立公園(世界遺産)
・写真はヨセミテ公園のシンボル
「グレイシャーポイント」
【心と体の健康情報 - 216】 ~古典から学ぶ~
「韓非子(3) トップに必要な"術"」
私は、徳川家康や三国志など、戦国歴史小説が大好き。その中によく出てくる、
トップが部下に寝首を欠かれる事例、信長のケースが思い浮かぶ。これは、
日本だけでなく、中国でも事情は同じ。
現代でも、「信頼していた部下に煮え湯を飲まされた。裏切られた」「飼い犬に
手を噛まれた」といったケースがあとを断たない。
部下に裏切られても、個人的損害で済めばまだいいのですが、下手をすると、
会社までガタガタにされ、大きなダメージを受けることになりかねない。
それでは、リーダー失格でしょう。何故そんなことが起こるのでしょうか?
韓非子に言わせると、組織管理に甘さがあり、部下の統率に手抜かりがあった
からだという。そうならないためには、部下を統率し、操縦するための"術"を
マスターしなければならないと、韓非子は五つの項目で、そのことを説いてい
る。
(1)
「手柄を立てたものには賞を与える」
「失敗を犯したものには罰を加える」
この権限をしっかり自分の手に握っておくこと。そうすれば、 思いのままに
部下を操縦することができる。
・韓非子曰く…
「虎が犬を服従させているのは、虎には爪があり、牙があるからだ。
もし、爪と牙を虎から取り上げて、犬に与えたら、逆に虎の方が犬に服従しな
ければならなくなる。
同じように君主が、賞罰の権限を臣下に委ねてしまったら、国中がその臣下
を恐れて、君主を甘く見る。人心は君主を去って、臣下に集まるだろう」
(2)
勤務評定を厳しくする
部下の申告に基づいて仕事を与え、
申告と成果が一致した者には賞を与え、
一致しなかった者には罰を加える。
(3)
部下に好き嫌いの感情を見せてはならない
君主が臣下に好悪の感情を見せると、
臣下はそれに自分を合わせて取り入って
くる。それでは、臣下を使いこなすどころか、逆に臣下に使われてしまう。
また、腹黒い臣下は、それに付け込んで策略をめぐらし、君主の地位を脅かす
かもしれない。そんなスキを見せないため、好悪の感情は隠すようにしなければ
ならない。
(4)
時には部下に、
思いもよらぬことを尋ねてみる
そのことを韓非子では、
以下の事例をもって示している。
宋の国の宰相が、部下に命じて市場の見回りをさせ、帰ってくるなり尋ねた。
「市場にはなんぞ変わったことでもなかったか?」
『いえ、何もございません。そういえば、市場の外は牛車でいっぱいで、やっと
通れるくらいでした』
「よし、誰にも言ってはならぬぞ!」。宰相はそう言い含めておいて、市場の
役人を呼び出して、叱り付けました。
「市場の外は、牛の糞でいっぱいではないか、早く片ずけるがよい」
役人は、宰相がこんなことまで知っていることに驚き、それ以後職務を怠らな
くなったという。
(5)知っているのに、知らないふりをして尋ねてみたり、嘘やトリックを
使ってテストをしてみる
以上が、韓非子の「術」による部下の操縦術です。無条件には受け入れられな
いところもありますが、部下を上手に操縦術していくうえで、大いに参考になります。
PHP「リーダーのための中国古典・韓非子」より