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落合監督”オレ流”から学ぶ

イチローが八十年間破られなかった大リーグ記録を更新して、日本もアメリカも大騒ぎ。 松井は本塁打を31本打ち、ヤンキース四番の重責をこなして地区優勝に貢献した。
王や長嶋、松井、イチローが一流と言われる所以は、ここ一番という時に打てる選手だからでしょう。九回二アウト満塁、一打逆転という場面で、 自分とチームのことしか考えていない選手は、何とか打とうと力みが入ってしまう。
長嶋、イチローなどの一流選手は、「スタンドのお客様に喜んでもらおう」との思いで打つから、 力みがない。で、ここ一番という時、期待に応えてくれるのです。

新記録を達成した日のイチローの言葉です。(10/3読売新聞)
「これだけ負けたチームにいながら、こんな素晴らしい環境の中で野球をやれることは、勝つだけが目的の選手だったら、不可能だと思う。 プロとして何を見せなくてはいけないか、何をしたいかということを、忘れてはいけない…」

【心と体の健康情報 - 165】
~幸せな人生を歩むために~
「落合監督の”オレ流”から学ぶ」

私はアンチ巨人の中日ファン。愛知出身のイチロー選手の快挙と合わせて、 この数日は最高にいい気分です。
三冠王を三度達成した大打者落合。”オレ流”の孤高を貫いた現役時代の印象が強すぎて、中日からラブコールがあるまで、 コーチの経験もない。ところが、監督就任一年目でリーグ優勝。みごとなチームに育て上げた。そのリーダーとしての手腕は、 学ぶところがあまりにも多い。

何が優勝への原動力になったのか、新聞に書かれている記事から、垣間見たいと思います。
過去の監督を手本にしたりせず、独自のものを作りあげていく」。 これは昨年監督就任の時に言い切った言葉。イトーヨーカ堂の鈴木名誉会長の言葉を思い出す。「過去を断て、 常識に囚われるな、今こそ新たなる創業の時、人心をつかみ、経営を革新せよ」。
この言葉のように、これまでの監督とは異なる様々なアイデアにあふれていた。
就任早々、フロントからの選手補強の申し出を断り、現有選手の力で十分優勝可能と言い切った。

まず選手を見る時、先入観を持たないようにした。春季キャンプでは一、二軍の枠を撤廃。全員一つになって練習。「一、 二軍の振り分けは前任者が引いたもの。自分で見なきゃどういう選手かわからない」。
70人の支配下選手のうち、実に56人を一軍で起用し、戦力にしている。

落合監督が掲げたのは「一点を奪い、投手を中心に、その一点を守り切る野球」。
今期中日が放ったホームラン数は、巨人の半分にも満たない。限られたチャンスを生かし、全員で守り勝つ野球に徹した。
優勝決定時の監督胴上げには、一・二軍の選手70人全員が参加して喜びを分かち合ったのが、それを象徴している。

球界の常識を覆す選手起用も特徴の一つだ。4月20日の阪神戦では、右打者のアリアスに対して、左投手の久本を送り、 「左打者に左投手とかいう時代は終わった」と断言。
選手の相性などのデーター、当日の調子など、様々な要素も加味するが、それが「相手を考えさせ、惑わせる。 それだけで勝ちなんだ」と…。

星野監督とはまったく正反対で、決して感情的にならない。その姿は、「失敗してベンチに帰る時のことを考えずに、 プレーに集中できる」と、選手から歓迎された。

敗れた試合の後のインタビューでは、敗因となった選手を責めずに、自ら責任を背負い込む。勝った試合後の会見では、 「選手のお陰、こっちは何もしていない」。
選手を交代させる時は、必ず監督自身がマウンドに向かい、ねぎらう。

考え方の基本は「選手第一主義」。起用した以上、選手を信じ、 力を最大限に出させる。「監督は自分たちのことを守ってくれる」と、監督の気配りが選手たちの心をつかみ、 求心力を高めていった。

今までマイナス査定の対象とされた、併殺打や盗塁の失敗は、チームの意図した結果であれば、 その積極性を評価してもらえる。中日の各打者は、併殺打を怖がらず、思い切り良くバットを振るようになった。

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