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狩猟民族と農耕民族-2

■国際テロリストが、日本で爆破事故を起こしたら…

スペイン・マドリードで起きた、列車同時爆破事件の二日後、スペイン全土で、雨の降る中を、国民の四人に一人、 一千二百万人規模のデモ行進があった。
国民は、「テロ」に対しての怒りを露わにし、「バスタ、ジャー!(もう、たくさんだ)」「テロをやめろ!」と、 き然たる姿勢をもって対決する意思を示した。

国民が危機に瀕したとき、一致団結して立ち向かおうとするのが、世界どこの国にも見られる光景です。
国際テロ組織アルカイダは、声明の中で、米国に加担する英国、イタリア、日本を標的にすると名指ししている。
もし、日本で不幸にもこのような大事件が起きたら、私達日本人は、スペインの人達のように、全国規模で一夜に三千万人もの人が、 自然発生的に、仕事を中断してまで、怒りのデモ行動を起すだろうか?

【吉村外喜雄のなんだかんだ 第25号】
~日本人のアイデンティティー~ 
「狩猟民族と農耕民族(2)」

一頃、日本人異質論がマスコミで話題になった。農耕民族と狩猟民族の気質の違いが、考え方や問題解決の違いとなって、 随所に現れてくるのです。
肉食が主体の民族は、ライオンのように縄張り意識が強く、独立独歩、自己主張が強い。
一方、日本人のアイデンティティは「」。草食動物の牛や羊のように、 集団で群れることが多く、人のために自分は一歩下がることを美徳とする民族です。

ロサンゼルスの日系人は、クリーニング業を営んでいる人が多い。その他中国人などのアジア系、 メキシコ人などの中南米系の人達も、クリーニング業を営んでいる。
アジア系は勤勉で仕上がりもいい。顧客の評判がいい。それを嫉んだ中米系の人たちが、日本人と、韓国人の店に石を投げ、 ウインドゥガラスを割ったりして騒いだ。そのときの日本人の対応の仕方や、考え方が、よその民族とちょっと違ったのです。
韓国人は国境が陸続きで、他民族の支配を甘んじて受け入れてきた民族。自分達を守るために「やられたら、やり返す」。
大勢が手に手に獲物を持って、「もし今度同じことをしたら、絶対許さない」と、相手の居住地近くまでデモをかけ、 相手を牽制する行動に出た。

一方の日系人は四方を海に守られ、異民族に犯された経験のない農耕民族。
その夜集まり、今後の対応策を話し合った。出た結論は「相手の挑発に乗せられたら、事は更にやっかいなことになる…。 しばらく様子を見よう」。
翌朝、何事もなかったかのように割れたガラスを片付け、身をすくめてほとぼりのさめるのを待った。

つい最近の、尖閣領土問題に対する日本政府の姿勢も同じです。「相手国を刺激するような言動をして、 事をこれ以上荒立ててはならない。ほとぼりが冷めるまで様子を見よう…」と。 

農耕で生きてきた日本人は、日照りや冷害、台風や洪水、地震など、突然襲ってくる天変地変で、 それまで積み上げてきた苦労が、一夜で無に帰することがしょっ中で、怒りをぶつけるところなどどこにもない。 土地を離れて他所へ移り住むこともままならず、悲しみにくれていても仕方がない。又、一からもくもくと体を動かして、 やり直すしか方法がなかった。

何千年と同じことを繰り返す内に、じっとこらえて我慢する生き方が、遺伝子に組み込まれてしまったのでしょうか。

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