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主婦の孤独を分ってほしい

【心と体の健康情報 - 132】
~男の言い分、女の言い分~
「主婦の孤独をわかってほしい」

以下、婦人公論の「主婦の孤独をわかってほしい」の特集記事をもとに、妻が結婚して、 その後私と一緒に化粧品の販売に携わるまでの、専業主婦時代の約10年間の心理状態を、妻の立場に立って書いてみました。

私(妻)が結婚したのは昭和42年、20歳のとき。女学校を出て一年、 19歳のときにお見合いをして今の主人と結婚した。その時代の女性は、結婚、そして専業主婦になることが、 女性の歩む人生すごろくの”上がり”であった。
高校を出て、どこかに就職する。それも結婚までの腰掛。本人も、受け入れる会社も、結婚すれば辞めるものと決めていた。

結婚は女の幸せ。そう信じて結婚した。なのに何か満たされない。可愛い二人の子ども、夫とやさしい義父母、 そして小姑との生活は、それなりに平和で、充実していたはず…  なのに私は満たされない。

夫は仕事で家を留守にしがち。朝は7時に出社して、夜10時頃帰宅する。
ことあるごとに出張だ、飲み会だ、付き合いだと、家を留守にする毎日。夫不在で残された私(妻)は、 自分自身のためではなく、家族を最優先する主婦の暮らし。
孤独感に襲われる。私は、家族や年寄りの世話をするためにお嫁にきたのだろうか? そうではない… 「結婚って何だろう」 と、つい考えてしまう。

光が当たる世界で伸び伸びしている夫。私は奥さんという名のもとに、社会から隔離された家の中で、炊事、洗濯、掃除、 年寄り夫婦の世話と、家を守っていればそれでいい。
誰に認められることもなく、毎日朝、昼、晩、変わり映えのしない時間が過ぎていく。そこそこ料理が上手で、 家事をつつがなく切り回し、子育てしていればそれでいい。
それで私(妻)はどうなるの? そんな焦りが湧いてくる。満たされる答えも見えないまま、 誰にもかえりみられないまま年老いていく…。そんな孤独感に襲われる。したいことがいっぱいあったのに、 今はそれも薄れていく。

自分にできることは何だろうか? 何かしたくてパートに出た。夫は言った。
「年寄りもいることだし、家事に支障をきたさない範囲にしろよ!」。
何かに本気になろうにも、しょせんは、主婦の片手間仕事としか見てもらえない。

さて妻の話はここまでにして、子育てにも参加せず、ほとんど家にいない会社どっぷり人間の私(夫)。 毎日仕事仕事で出かけてばかり。夜も仕事。仕事のつき合いで飲みに行く。たまの休みも付き合いマージャン。子どもたちと、 夜一緒に食事をすることもなく、子育てを手伝ったことも、運動会や授業参観に行った記憶もない。

こんな生き方人生を続けることに嫌気がさしていた。そして脱サラした。失われた十年を取り戻そうと、 それまでお世話になった勤め先と管理職の地位、年収一千万円の安定した収入を捨てて…。
妻と一緒に、家族の顔を見ながらやれる仕事、化粧品の商売をゼロから立ち上げた。
あれから25年、今では会社の中心的存在となり、活き活きと仕事をしている妻。
その妻を見ていると、この仕事にめぐり合えたことの「ご縁」と「運」に、感謝せずにはいられない。「神様、仏様、 ご先祖さま、ありがとうございます」

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