【心と体の健康情報-87】
~男の言い分、女の言い分~
「成功を回避したがる女性」
男が今やっていることを投げ捨てて、何か新しいことにチャレンジしようとするとき、そこで妻や母から投げかけられる言葉が、
「将来どうなるかわからないことに何でそんなに一生懸命になるの? 今のままでも十分幸せじゃないの…」
私がセキスイハウスを辞めて、収入ゼロの状態から化粧品販売の仕事を始めたときも、妻の猛反対に合い、拒絶されました。
セキスイは、地位も待遇も給与も満足すべきもので、不満など何一つなかったし昭和53年当時は宅地開発が絶頂期の頃で、会社もその年、富山、
高岡、金沢、加賀、福井と大々的に土地を買収し、宅地開発をからめた新築住宅の受注拡大に取り組んでいたときでした。
何か大きなことにチャレンジしようとするとき、一般的に男性は「冒険」
を好み、「空想的」
で「楽観的」
にものを見ようとします。そして、反対されたときは、より「プラス思考」になろうとします。
「成功回避欲求」が働くのです。
女性は男性に比べてこの欲求が強く、課題達成の前に不安を抱いたり、ためらいを覚えたりすると言われています。特に男性が競争相手の場合に、
その傾向が強くなるそうです。
女性は「保守的」
かつ「現実的」
です。問題に直面したときは「悲観的」
になり、あれこれ心配して
「マイナス思考」 に陥りがちです。
男性は「好戦的」
で、争いごとにあえて立ち向かおうとします。女性は「平穏」な生活を守ろうとします。
ですから女性は、成功するための過程で発生する「努力」「犠牲」「不幸」などか逃れようとして、
本能的に「競争」「勝利」成功」などは、
と゛ちらかというと男性の性的役割イメージです。女性の本質は「平穏無事」なのです。ですから、
男性集団の中で男性と同じ土壌で女性を競わせると、女性に「成功回避欲求」
が働き、男性と同じような形で成功を収めることに抵抗を感じ、
チームの中で浮き上がってしまう恐れがあります。
ですから女性は、女性のリーダーの元、女性だけの集団で競わせた方がうまくいくことが多いのです。
女性の社会進出が進む中、真の男女平等を実現するためには、男女の「性的役割」を意識した配慮と、人材の配置・育成が求められるのです。
渋谷昌三「よくわかる心理学」西東社より抜粋